そして偵察には一般的な偵察である先行偵察と戦闘後の地域を調査する戦果確認の2種類がある。
余り聞き慣れない戦果確認とは具体的に言うと爆撃や砲撃を加えた地域が実際にどのような影響を受けているか、
誤爆は無かったか等を現地にいって調査し、記録を取る仕事である。
しかし戦果確認についてはこれまでクローズアップされる事は余りなく、
自他共に認める偵察の国であるナニワアームズ商藩国でもFOが兼任で行っていたに過ぎなかった。

そんなある日、日々手強くなってくる敵勢力から国民・国土を守る為に他の藩国同様、ナニワアームズ商藩国でも戦力の増強が計画された。
計画の骨子はパイロット職と歩兵職の2本柱を主軸とし、お互いに得手不得手をフォローするというものである。
というのも、評価値が高く主力となり得るI=D部隊では治安維持や市街戦、長期間に渡る国土や国民の防衛には不向きであり、
また機械なので当然ながら低物理域では活動する事すら叶わない為である。

そして役割分担は偵察についても同様に検討される事になった、つまり先行偵察と戦果確認である。
先行偵察についてはパイロットの中から、偵察に特化した選抜チームが組まれ、これにあたる予定であるが、
乗り物での偵察が主体となるので当然ながら細かい調査が必要となる戦果確認は実質不可能と言える。
そこで今回、新たに戦果確認を専門とする歩兵職業として白羽の矢が立ったのがロードランナーである。


ロードランナーとは
  歩兵部隊の最小単位である班レベルで動く部隊であり、
  爆撃や砲撃を行った後の地域の状態を見る戦果確認を主任務とする。
  乗り物には乗らずに自前の足で奥地までいって、そこで得た情報を記録し、持ち帰る事が役目。


ナニワアームズ商藩国におけるロードランナーが守るべき鉄則は2つある。
1つは現地まで赴き、そして生還する事。幾ら情報収集が上手くてもそれを本隊に持ち帰れなくては意味が無いのである。
情報を伝達するだけなら世の中には無線機という便利な文明の利器は確かに存在する訳だが、
ナニワにおいてはなるべく低物理域でもある程度の活動が行える事が求められるので結局の所、生還できる事が必須事項である点は揺るがない。
そして2つ目は現地での情報をしっかりと記録してこれを持ち帰る事。言うまでも無く偵察兵の本分である。

この2つの鉄則を守れる実力をロードランナーに習得させる為に次の4つの能力が重視された。

 1.走る
 2.視る
 3.隠れる
 4.戦う


以降はこれら4つの能力に焦点を当てて、ナニワアームズ商藩国におけるロードランナーを見てみよう。