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  [No.1509] EV165 ”産業育成準備” 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/08(Wed) 23:40:54


  [No.1510] 繊維関連ネタメモ。 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/08(Wed) 23:44:15

テント作る業者さん。
世界シェアナンバーワン。

こういう素材もありだよね。

ttp://www.taiyokogyo.co.jp/

守上藤丸
/*/
あれこれURLめも。

>日本化学繊維協会
ttp://www.jcfa.gr.jp/
・高機能化学繊維素材
ttp://www.jcfa.gr.jp/f4_about_cf.html
(#意味不明な宣伝用うたい文句・・と思われるものにも、意外に苦労があるらしい。)
ttp://www.jcfa.gr.jp/f12-topics/topics20.html
・使い道あれこれ
ttp://www.jcfa.gr.jp/f12-topics/no18/topics18.html

--

>5分でわかる最新の科学技術 / ナノテクで紡ぐ高機能繊維
ttp://www8.cao.go.jp/cstp/5minutes/002/index.html
>5分でわかる最新の科学技術 / ”炭素繊維”
ttp://www8.cao.go.jp/cstp/5minutes/020/index.html

--

>医療用・縫合糸
ttp://dogcat11221122.hp.infoseek.co.jp/suture1.html
ttp://www.mylifenote.net/003/jjvicrylplus.html

--

人工毛髪用繊維
ttp://www.fa-navi.jp/patent/details/000040135.html
ttp://www.ekouhou.net/%E4%BA%BA%E5%B7%A5%E6%AF%9B%E9%AB%AA%E7%94%A8%E6%8D%B2%E7%B8%AE%E7%B9%8A%E7%B6%AD%E5%8F%8A%E3%81%B3%E3%81%9D%E3%81%AE%E8%A3%BD%E6%B3%95/disp-A,H09-67725.html
#こういった使い先もあるらしい・・・

--

>金銀糸について
ttp://blog.livedoor.jp/izumikingin/archives/51407029.html
・紛(マガイ)という言葉の意味
ttp://kinginshi.com/?p=19

--

ttp://www.teisen.co.jp/special.html
#耐熱服って洗濯もできたの・・!? 予想外。

乃亜さん

/*/
あれこれURLめも2。

●絹について

養蚕の様子
ttp://homepage3.nifty.com/uan-nishio/harunoyousann.html

絹糸の作り方
ttp://www.kodomo-silkroad.net/kaiko/making/kengaku.html

桑の成長 /桑の木はもさもさ大きくなるようですが、蚕さんは、同じくらいのスピードでもりもり葉っぱを食べるようです(笑)。
ttp://www.kinu.net/kuwa.htm
ttp://www.kinu.net/kuwa2.htm
蚕さんの食欲(違)。
ttp://www.kinu.net/kaiko.htm
#以下引用です
>現在ではお蚕さんのほとんどは掛け合わせなど人工的に品種改良してきた生物。
>現在飼育中の「錦秋×鐘和」以外も「小石丸」・「新小石丸」・「世紀×21」・「ぐんま×200」・「春齢×鐘月」など色々ありますが大きくなるお蚕さん、大きくならないお蚕さんなど色々あるみたいです。
>3日で1cmぐらいおおきくなってますね(凄)

土地 (0.005坪)

桑の木 (0.018本)

桑の葉 (約10枚 = 約36g)

蚕蛾 (1頭)

繭玉 (1個 = 1.7〜2.3g)
ちなみに乾燥させると0.9〜1.2gになります。

太さ約20ミクロン・約1200〜1500mの糸を吐いて作られております
--

土地 (15坪)

桑の木 (50本)

桑の葉 (100kg)

蚕蛾 (2800頭)

繭玉 (5000g)

生糸 (1000g)

絹織物 (700g) >着物1着分くらいみたいです


●木綿について
ウィキペディア:木綿  /原産地はインドとアフリカ、アラビアやエジプトでも栽培
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9C%A8%E7%B6%BF 

ウィキペディア:綿  /木綿、真綿(絹)、麻綿、羊毛綿など、いろいろ種類がある
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B6%BF

ウィキペディア:ワタ属  /水が必要ではあるが、育成のために25℃以上、開花期には乾燥が必要。
ttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AF%E3%82%BF

綿の花
ttp://www.hana300.com/wata00.html
ttp://tokiwasarasi.com/memo.htm



●その他

化繊の例
ttp://www.kuraray.co.jp/products/question/

難燃化
ttp://www.silk.pref.kyoto.jp/oriki/index-d/d0705/2007-5senninonannnennka.html

繊維機械
ttp://network2010.org/sangyokanko/tcmit/textile.html
ttp://www.ikegamikikai.jp/linkp02.htm

乃亜さん


  [No.1517] ネタメモ2 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/11(Sat) 01:00:36

繊維の一口メモ   >作れるけれど、まだ使い道が思いつかない繊維、というのもありやもですね。 新素材への布石にどうでしょ。
http://www.eonet.ne.jp/~kusaka-h/senimemo.htm


コットンについて  >紡績技術によって相当の格差がでてくる。 /高水準の紡績、「きれいな水」を使用することで高品質の製品となる。
http://www.e-keito.com/711_001.htm
#また、特殊な紡績技術をすると、ケミカル加工はなしで 化学繊維にも劣らない機能性を持たせることも可能みたいです。


繊維素材について  >綿が洗濯で縮むのは、機械で高速に紡績するからの模様? ゆっくり引っ張らずに糸や布にすると縮みにくいのですかね??
http://itonohitorigoto.seesaa.net/category/3210392-1.html


染色について
http://sentaku-shiminuki.com/seni/seni-9.html
http://www.some-kyoto.or.jp/koutei/koutei.html

--

化粧関連品で 繊維を使うものというと、

・コットンパフ
・マスカラ(まつげに塗るもの)
・クリーム・シャンプー等 >絹糸を作る時に出るアミノ酸を配合することがある
・お化粧直しの際の、油取りに 極細繊維のパフを使うこともある
・化粧筆 (化繊・天然毛など) http://mizuhobrush-shop.com/shopdetail/001000000013/order/
・洗顔用ネット (化繊)

こんな感じでしょうか・・
他に思いつくものあればお願いしますー


  [No.1538] ネタめも3 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/19(Sun) 00:38:43


  [No.1511] 関連質疑その1 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/08(Wed) 23:53:24

http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=11336

>Q1:
>Tdmでアウトレットセールを行う開催時期について、「産業イベントとあわせれば強力」と以前に教えて頂きましたので、そのようにしたいと考えております。
>産業イベントにあわせて開催するためには、具体的にはどのようにすれば良いでしょうか?
>#藩国からは、以前にアドバイスして頂いたとおり、繊維の方面で考えています。
>
> A:藩国の提出物と一緒に、セール開催の様子の絵や文章のページを提出する(r:は不要)。
> B:藩国の提出物の中にセール開催のr:を記載し、実行する。
> C:藩国の提出物と一緒に、セール開催の様子の絵・文章・r:の記載を用意し、実行する。
> D:「産業イベントにあわせます」と宣言して質疑掲示板でr:の実行を申請する。
> E:その他(こちらの場合は、やり方をご指示いただけると嬉しいです。)
>

A 会社関係も産業育成の範囲に含めてあげるよ。

>Q2:
>来て頂けるお客様が多くなりそうとのことでしたので、派遣会社さんより誘導員さんの派遣をお願いすることを考えています。
>その他にも、「歩兵編制での警備が望ましい」とも教えて頂いたのですが、
>今ターンのナニワの編成では、燃料不足のため、I=Dからの降車時の可能行為は「一般行動」と守上藤丸さんによる「外交戦」となっており、白兵戦闘はできないのですが、藩国部隊での警備は行えますでしょうか?
>#藩国編成(降車時):http://www22.atwiki.jp/naniwaarms/pages/506.html#id_f8aad630
>#また、このターンは消防署に猫士10匹を配置しており災害対応については評価値30ほどあります。
>

治安しだいかなあ。 40くらいあれば。
なければ外国にお願いすれば?

>Q3:
>藩国部隊で警備をすることに無理がある場合、
>誘導員さんの派遣人数をもう一人増やすなどで危険や問題はクリアできそうでしょうか?
>#(r:の場合3回分と以前に教えて頂いてますので、2人以上の派遣をお願いするのは少し厳しいので悩んでいます。)

2人ならそこそこいくかも。

>
>Q4:
>産業育成イベントについてナニワは繊維が良いとお教え頂き、どうもありがとうございました。
>こちらについて、主にどのように進めるのが良さそうでしょうか?
>
> 1:主に服飾・布製品方面に関連した繊維を、複数種類作る。
> 2:服飾・布製品に限らずガラスや金属なども含めた、多方面(化粧品・日用品・工業品等)でも使用可能な繊維を、色々作る。
> 3:軍事面でも使用可能な繊維。(宇宙服素材や、機体に使える炭素繊維など)#こちらは「新素材の開発」を取得してからの方が良さそうかなあ、と考えています。
> 4:特定の1種類の繊維での、応用範囲(製品案)を提案した方が良い。


1かな、 もっと手広くやっても、もちろんかまわないだろう。
>
>Q5:
>危険や問題を起こさずに、現在のナニワで作ることが可能な繊維は、どのあたりまででしょうか?
>
> あ:品質の良い自然繊維。
> い:一般的な化学繊維。
> う:自然繊維と化学繊維の複合糸によるストレッチ素材。
> え:合成繊維による染色・加工が安易なフェイクファーやフェイクレザー。
> お:(繊維とは若干違いますが)金糸・銀糸・銅糸・プラチナ糸などの加工糸。
> か:難燃性やUVカット、制電(静電気を抑える)、消臭や抗菌などと云った特色効果のある、高機能繊維。
> き:レンズ拭きやフィルター・高密度織物(透湿防水素材など)に使用される、極細繊維。
> く:ナノレベルで屈折率の違う層を組み合わせ、光の加減で色の変わる、構造発色繊維。
> け:防護服やロープ、クッション材などに使用される、高強度繊維。

あ から き までだね。
けもできる


  [No.1516] 関連質疑その2 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/11(Sat) 00:31:33

http://cwtg.jp/qabbs/bbs2.cgi?action=article&id=11968

>Q1:
>ナニワの繊維産業育成ですが、以前の質疑で「主に服飾・布製品方面に関連した繊維を、複数種類作る方面で進める(もっと手広くてもOK)」と回答をいただいております。
>科学繊維は国内生産として、絹糸やウール等の天然繊維の素材に関しても国内で調達できるようにする方向で考えた方が良いでしょうか?
>他国で安くて高品質なものが既にあるのであれば、そちらからの輸入で考えた方が良いでしょうか?
>
>綿花は気候的にも栽培できそうな気もしますし、養蚕に関しては室温さえ確保できれば湿度も高くなく直射日光もないので安定して生産できるのではないかな?とは思いますが桑の調達などもありますし、
>ナニワは牧畜には向かないと思いますので、自国で生産から整えた方が良いものと、他国から輸入したほうが良いものをお伺いできますでしょうか?
>
>#輸入が良いものは、輸入先の藩国さんも教えて頂けますと幸いです。
>
> ・絹(養蚕) →
> ・ウールやカシミヤなどの動物繊維→
> ・木綿や麻などの植物繊維 →
>

どれもいいんじゃねえか。作れるよ。


>Q2:
>確認になります。
>ナニワの繊維産業に関しては、
> 1.ナニワで作成した繊維を使った商品の販売を目指すのではなく、繊維開発そのものを主眼に置いたほうがよい。
> 2.他との差別化の為、量産を目指すのではなく高品質、高性能のものを作成する。
> 3.その上で、繊維素材を使った品物も作成する。
>という、方向性でよろしいでしょうか?

ええ

>
>Q3:
>現時点で、ナニワで繊維産業を開始する為の下地はどれぐらいあるのでしょうか?
>#大雑把な質疑で申し訳ありません。
>#まったくの0からのスタートなのか、小規模でも材料を布にするまでの一連の工程を行える工房などはあるのか不明な為、確認になります。

化学ならまあ、少しは。くらいだよ。


  [No.1518] 気になった点&思い付きメモ 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/12(Sun) 04:25:14

変な時間に目が醒めた。暑い…。
それは兎も角、折角なので気になった事や思い付きをメモメモ。

気になった点
・繊維はケブラーやゴアテックス等商標登録されているもの(ウォークマンみたいに商品名が代名詞になっている印象がある)が結構あるけど、この辺の名称は使用しても大丈夫だろうか?
#それとも一文字違いとかで似たような別名(コアテックスとか)とかにするのか、完全な創作の名称(ナニワテックスとか)にするのか。
#もしくは芳香族ポリアミド系樹脂のポリパラフェニレンテレフタルアミドとか防水透湿性素材とか化合物名や素材の性質だけを描写するか。

・衣服、日用品、工業用で高品質、高性能な繊維の開発をするとの事だけど
 衣服→スポーツウェア向きの素材とか?
 日用品→マスクとかお掃除用のワイパーとかみたいな不織布とか。
 工業用→消防士の防火服などの特殊な環境での作業着向きの素材とか。
 みたいなイメージで良いのかな。
 #特に衣服がどういう方向性で高品質、高性能を目指すのかが良く分からなかったり。
 #ある程度の方向性や提出ページのコンセプトが決まっているなら掲示板辺りにまとめてもらえると設定文やSSのネタを考える取っ掛かりになるので助かります。

思い付き
・繊維関連って意外と専門用語が多いのでなぜなに風とか、ためしてガッテン風に科学情報番組みたいな解説を(本編のアイデアはまだ思い付いてないけど(汗))番外編チックな感じで入れると良いかも。
#実際に国内でそういうテレビ番組を放送している感じにして、国民に繊維についての知識や理解を深めて貰う&興味や関心を持って貰うとか。


  [No.1520] Re: 気になった点&思い付きメモ 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/12(Sun) 23:26:44

> 変な時間に目が醒めた。暑い…。
> それは兎も角、折角なので気になった事や思い付きをメモメモ。
>
> 気になった点
> ・繊維はケブラーやゴアテックス等商標登録されているもの(ウォークマンみたいに商品名が代名詞になっている印象がある)が結構あるけど、この辺の名称は使用しても大丈夫だろうか?
> #それとも一文字違いとかで似たような別名(コアテックスとか)とかにするのか、完全な創作の名称(ナニワテックスとか)にするのか。
> #もしくは芳香族ポリアミド系樹脂のポリパラフェニレンテレフタルアミドとか防水透湿性素材とか化合物名や素材の性質だけを描写するか。

あー。
リアル名称はもじるのはOKだけど、そのままはマズイですね。


> ・衣服、日用品、工業用で高品質、高性能な繊維の開発をするとの事だけど
>  衣服→スポーツウェア向きの素材とか?
 これは主に、乃亜さんのお店の拡大版です。シルクとかを使ったスカーフとかスーツとか。

>  日用品→マスクとかお掃除用のワイパーとかみたいな不織布とか。
 プラス、タオルとか、シーツとかコットンとか。

>  工業用→消防士の防火服などの特殊な環境での作業着向きの素材とか。
>  みたいなイメージで良いのかな。
 OKです。

>  #特に衣服がどういう方向性で高品質、高性能を目指すのかが良く分からなかったり。
>  #ある程度の方向性や提出ページのコンセプトが決まっているなら掲示板辺りにまとめてもらえると設定文やSSのネタを考える取っ掛かりになるので助かります。

以下、うさぎさんにも設定文とかお願いした際にお話させていただいた内容です。

#(22:15) うさぎ: 藩国的な方向性とかは決まっているんですか?
#(22:15) アズマ@守上藤丸:  1.ナニワで作成した繊維を使った商品の販売を目指すのではなく、繊維開発そのものを主眼に置いたほうがよい。
# 2.他との差別化の為、量産を目指すのではなく高品質、高性能のものを作成する。
# 3.その上で、繊維素材を使った品物も作成する。
#(22:16) アズマ@守上藤丸: と、いう方向で行きます。
#(22:17) アズマ@守上藤丸: 高品質・高性能を目指すのは、帝國との差別化を図る為で、向こうは人が多いので量産品だと価格の面で絶対負けるのね。
#(22:17) うさぎ: 仮想って言うか計画している客層はむしろ国外?
#(22:17) アズマ@守上藤丸: 国内消費もしますけど、主に国外向けです。
#(22:18) アズマ@守上藤丸: かといって、貴族しか使えないようなものを作るとかじゃなくって、ちょっと奮発して買う類のやつです。
#(22:18) うさぎ: ok 認識を変えます。 新たに商品開発したってコンセプトでやるのね
#(22:19) アズマ@守上藤丸: そですね。ただ、国内に元々の基盤があるわけじゃないので試行錯誤しながらやってく感じです。
#(22:20) アズマ@守上藤丸: ブランド品ですね。
#(22:20) アズマ@守上藤丸: 日用品で言えば、今治のタオルとかそんな感じ。
#(22:20) うさぎ: 元々あったものを発展させたほうが良くないですか?
#(22:21) アズマ@守上藤丸: んー。元々、繊維産業やれば?というお話は乃亜さんのお店があるところから始まってるんですよ
#(22:21) うさぎ: 例えば外作業用の砂よけのロープとかいい布を使ってるはずなんですが
#(22:21) うさぎ: あー
#(22:22) アズマ@守上藤丸: 乃亜さんのお店の商品が帝國で大人気で、ネームバリューはあるんです。共和国内ではほとんど無名ですけども。
#(22:22) アズマ@守上藤丸: なので、それを国全体に拡大しようというところから始まってるんですね。
#あと、他に他国と競争できそうな産業もないしで。
#(22:25) うさぎ: ノア店と、そこの下請け業者がそもそもこのお話の起点になってるんですね? 了解しました
#(22:25) アズマ@守上藤丸: ですね。
#で、今回は「衣料品」「日用品」「工業用品」の3つのパターンのページを作ろうかと思ってます。
#(22:25) アズマ@守上藤丸: さっきの砂よけロープとかは工業用品ですね。
#(22:26) アズマ@守上藤丸: 消防士の服とか、パイロットスーツもここ。
#(22:26) アズマ@守上藤丸: 衣料品は乃亜さんのお店の延長で、日用品がシーツとかタオルとか。
#(22:28) うさぎ: んー、なんとなく了解。何か考えて見ます
#(22:28) アズマ@守上藤丸: 設定分的には、繊維や布の特性とか、作り方とかそういう説明・設定文をあと、それを使った商品の説明とか。そんなイメージをしてます。
#(22:28) うさぎ: 歴史的な話は?
#(22:29) アズマ@守上藤丸: 布の?
#(22:29) アズマ@守上藤丸: 国内の???
#(22:29) うさぎ: 商業発展的な?
#(22:30) アズマ@守上藤丸: あっても良いと思います。
#(22:30) アズマ@守上藤丸: 素材そのものも、全部国内で調達できるみたいなんで
#(22:30) うさぎ: ok やるべきことは把握した…つもりですw
#(22:30) アズマ@守上藤丸: 養蚕とか、綿花栽培とか
#(22:30) アズマ@守上藤丸: 出来るらしいよ!! びっくり。
#(22:30) うさぎ: やってみて、それからリテイクください
#(22:30) アズマ@守上藤丸: はい、お願いします。

こんな感じでお話しております。
蘭堂さんにも書いていただきたいので、お二人でページ分けるか各ぺージお二人とも書いていただくかはお任せします。
設定文とSSで分ける、とかでもOK。

一度、相談しましょう。

>
> 思い付き
> ・繊維関連って意外と専門用語が多いのでなぜなに風とか、ためしてガッテン風に科学情報番組みたいな解説を(本編のアイデアはまだ思い付いてないけど(汗))番外編チックな感じで入れると良いかも。
> #実際に国内でそういうテレビ番組を放送している感じにして、国民に繊維についての知識や理解を深めて貰う&興味や関心を持って貰うとか。

いいですね!
お願いできます?


  [No.1521] Re: 気になった点&思い付きメモ 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/13(Mon) 00:23:25

お疲れ様ですー。
マリアちゃんのモデル起用を許可して下さってありがとうでしたー!


まず、繊維の名称についてですが、これは「素材の性質を描写」するのが判りやすいのではないかなー、と思いました。
(その際に、ナニワ独自の名前も思いつくならつけても良いとは思います。 面倒くさくない+時間があれば(笑)と云う感じで)

#読む人が繊維や布に詳しい(=名前でどんなものかが何となく判る)とは限らないので、
#「だいたいどんな性質を持っているか」が判りやすく書いてある方が、面白く読んでもらえるのではないかと考えます。

--

>#特に衣服がどういう方向性で高品質、高性能を目指すのかが良く分からなかったり。

ナニワで木綿や絹も生産できると云うことで、まずは天然素材の高品質繊維がひとつ。
これらは、主に「質の高い繊維原料(多くはより繊維の長いもの)」を「均一の太さ」で「細く柔らかく」紡績(=糸に)し、「きれいな水で加工・染色する」ことが おおまかな条件となるようです。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%B4%A1%E7%B8%BE

例えば西国風の衣装で最上級品と云う感じなら、たぶん絹か綿で、非常に薄く・軽く・柔らかく、鮮やかな染色の糸を複雑な模様に織り上げ、金糸銀糸で刺繍する、・・と云う感じになるのではないかなあ、と思います。
#(インドのサリーとかなら1枚布をそのままを着ますし、その他の中東風の衣装でも、あんまり裁断したり縫ったりの過程は多くない感じかな?と思います)
http://mphot.exblog.jp/9475811/
http://pds.exblog.jp/pds/1/200911/18/12/e0063212_044337.jpg
http://mphot.exblog.jp/14122135/  #(ブルカやスカーフが必須のお国柄の場合、写真もダメなことが多いので 女性の民族衣装の画像は少ない・汗)


普通に洋服のような感じで高性能である場合、
例えば、綿や化繊に樹脂加工を施した「形態安定加工(アイロンかけなくてもしわになりにくい)」シャツとか
「UV(紫外線)カット」の帽子やカーディガン、「着圧サポート」(むくみ防止のため、締め付け具合を変化させた編み方)な靴下やストッキング、
「涼感仕様」とか「静電気防止」の裏地とか、、あれこれあるかと思います。

この辺は、化繊糸の場合は断面を異形にしたり(肌に触れる感じが変わったり、光沢に変化があったり)や、紡績の仕方、糸の縒り方、縒り方の角度、素材の配合加減、糸の太さ・細さ、編み方、・・あれこれで いろいろ性能が変わるようです。
#強度が強くがっちりになるのか、緩やかな伸縮をもつのか、てろんと柔らかになるのか・・等。


  [No.1519] オーガニックコットン&リネン 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/12(Sun) 23:06:17


  [No.1529] 画像枝 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/17(Fri) 00:02:18

この辺に画像を置いておこうと思います。


  [No.1530] セールポスター 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/17(Fri) 00:06:43
セールポスター (画像サイズ: 454×600 100kB)

風光さんへ。

マリアちゃんはこんな感じで問題ないでしょうか?
#(目の色が違う!とかありましたら、なるべく修正がんばります)←


  [No.1533] Re: セールポスター 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/18(Sat) 20:35:23

> 風光さんへ。
>
> マリアちゃんはこんな感じで問題ないでしょうか?
> #(目の色が違う!とかありましたら、なるべく修正がんばります)←
おー、全体的にGOODです。明るい雰囲気が良いですな。
ただ確かに目の色は可能なら赤やピンクより灰色や黒、青、緑辺りの方が良いですね。(特に厳密に設定しているわけではないですが)


  [No.1535] 了解です〜 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/18(Sat) 22:44:19

ありがとうございますー!
青っぽく修正してあっぷ予定です。


  [No.1532] 日常用(1) 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/18(Sat) 01:31:25
日常用(1) (画像サイズ: 400×400 66kB)

コットンの使用例でいかがでしょうか。
(日常的 女性用リラックス品の感じで)

この他にシーツとか枕とかの画像も描いてますー


  [No.1536] 日常用(2 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/18(Sat) 22:45:28
日常用(2 (画像サイズ: 450×311 67kB)

シーツとか枕カバーとか掛け布団とか(あと中綿?)


  [No.1542] 服飾用(1) 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/20(Mon) 09:50:46
服飾用(1) (画像サイズ: 400×400 37kB)

ドレスシャツとネクタイです。
使用繊維は綿・化繊(シャツ)、シルク(ネクタイ)、あたりでしょうか。

・・・すすすすすみません。
服飾用(2)人物と、工業用人物(レスキュー服)の画像が間に合わない・・やも・・(汗) orz


  [No.1543] 工業用(1) 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/20(Mon) 09:53:57
工業用(1) (画像サイズ: 400×400 31kB)

編み編みと糸撚り中(・・たぶん)

#(イメージ画像な感じで・汗)


  [No.1534] 途中経過報告 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/18(Sat) 22:14:06

衣服向けの高級素材の開発に奮闘する人々のお話(SS)を下記のような感じで民間企業を舞台にしてみようかなーと考えてたりします。
(民間企業は国内需要向けの安価で丈夫なアパレル素材を安定して出荷していた国内では1,2のシェアを誇る企業で高級素材の需要増加に合わせて本格的に参入を検討しているという感じです。)

一応、方向性的には天然繊維の方になる予定です。

/*/

思い出

それは私がまだ幼い頃の思い出。
母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。

/*/

辞令

今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働してどんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。

その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。

「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」

最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも

「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」

眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう。」

「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」

「うん。ある意味、繊維にお熱な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ。」

「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います。」
目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。

「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ。」
そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。

彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。


/*/


  [No.1537] おっけい!! 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/18(Sat) 23:58:18

> 衣服向けの高級素材の開発に奮闘する人々のお話(SS)を下記のような感じで民間企業を舞台にしてみようかなーと考えてたりします。
> (民間企業は国内需要向けの安価で丈夫なアパレル素材を安定して出荷していた国内では1,2のシェアを誇る企業で高級素材の需要増加に合わせて本格的に参入を検討しているという感じです。)
>
> 一応、方向性的には天然繊維の方になる予定です。

お願いします。
オーガニックが一番需要ありそうな雰囲気です。

>
> /*/
>
> 思い出
>
> それは私がまだ幼い頃の思い出。
> 母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
> その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
> 当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
> そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。
>
> /*/
>
> 辞令
>
> 今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働してどんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。
>
> その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。
>
> 「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」
>
> 最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも
>
> 「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」
>
> 眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
> 「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう。」
>
> 「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」
>
> 「うん。ある意味、繊維にお熱な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ。」
>
> 「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います。」
> 目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。
>
> 「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ。」
> そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。
>
> 彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。
>
>
> /*/

以下、昨日の藩王会議および、それ以前の提携相談結果。

●るしにゃんさん
基礎化粧品につけるコットンなどを卸します。

●FEGさん
ホテル産業にあわせて、オーガニック素材のシーツやタオル、ガウン等を卸します。

●レンジャーさん
ユニフォームを卸します。
あと、炭素繊維・ガラス繊維の技術提携

●キノウツンさん
歪月提供(予定)メイド服コラボ

●リワマヒさん
部品産業に貴金属・レアメタル等鉱物資源を卸します。(量は少なめですが・・・)
あと、営業マンはナニワ製スーツを着用してくださるそうです。


詳しくは、守上まで。


  [No.1541] 途中経過報告2 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/20(Mon) 01:08:22

なるべく日曜日中に草稿ぐらいは完成させたかったんだけど、ちょっと無理そうなので再び途中の草稿をUPしておきます。
(今の段階では誤字脱字は気にしない方向でお願いします)
一応の目標は明日の昼頃(午後1〜2時ぐらい)までに草稿をまとめて、
夕方ぐらいには決定稿を上げたいなあと考えています。
#時間的にこのSS1本を仕上げた所で時間切れとなりそうです。

/*/

思い出

それは私がまだ幼い頃の思い出。
母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。

/*/

辞令

今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働してどんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。

その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。

「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」

最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも

「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」

眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう」

「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」

「うん。ある意味、繊維にお熱な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ」

「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います」
目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。

「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ」
そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。

彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。


/*/

タタタッ、タタッ、タタタッ
軽快なタイピング音が響き、ピシッとスーツを着込んだ女性が滑らかな所作でキーボードに次々と文章を打ち込んでいく。

そこにドアをノックする音がしたかと思うと勢い良くドアが開かれた。
「失礼します。本日付で本部署に配属となった笹原ルッツです。よろしくお願いします!!」

スーツの女性こと藤宮クリスは手を止めると席を立ってルッツを出迎えた。
「ああ、話は聞いているわ。君が笹原君ね。こちらこそよろしく。さ、こっちの席に座って」

勧められるままに席に付いたルッツは早速勢い込んで口を開いた。
「それで何をしましょうか。まずは企画書でしょうか。それとも会議とか」
「ちょ、ちょっとストープ!一度にそんなに答えられないわよ。落ちつきなさい」
「は、はい。すみません」
怒涛の勢いで放たれる質問の数々を片手を挙げてストップさせるクリス嬢。
「しかしえらく張り切ってるわねえ。」
「それは勿論。何と言っても入社してから早2年、ようやく任された大仕事ですからね!」
なるほど、熱意は合格ねとクリス嬢。
「じゃあまず君に直ぐに仕事を任せられるかどうか、軽くテストしましょうか。そうね、今回の目標である高級素材とは何かを簡潔に説明してみて」
「うぐっ!?えっと、高くて綺麗で(もごもご)」
「はい、不合格!駄目ねえ、これから自分がやる事なんだからそこは直ぐに答えないと勉強不足よ」
想定外の質問に目を白黒させて口ごもるルッツとその様子を見てスッパリとNGを出すクリス。
「では笹原君は仕事の前にまずはこれを読んでしっかりと基礎を身に付ける事」
とクリスが示した先にはどっさりと積まれた関連書籍の山が鎮座していた。
「うう…、わっかりました〜」
とほほと冷や汗を流しながら答えるルッツであった。

そして二日後

「クリス先輩、言われた通り資料を読破しました!」
開口一番に自信満々でルッツはそう宣言した。
えっ、もう?と少し意外そうに目を丸くするクリス。
「はい!まっかせて下さい。バッチリです」
「では再テスト。高級素材とは?」

「はい。細く長い高品質の繊維原料を用いてより細く、均一な太さになるように作られた糸や布地等のアパレル素材の事です」
「そして天然繊維はその数の希少さから、化学繊維の場合は生成や取扱に高度な技術が要求される事から細い繊維は高価なものになってます」
「またそうした細い糸で作られた素材から出来た衣服は風合いが良く、重宝されています」

「うーん。本当はもう少し簡潔にまとめれると良いんだけど、まあ及第点かな」
との評価を聞いて、ルッツが小さくガッツポーズと取っていると

コンコンと軽いノック音と共に
「毎度ー、クリス居る〜?この間頼まれてた見積もりできたでー」
右手にソロバンと茶封筒を持って、大きなまん丸眼鏡とくりっとした大きな目が印象的な小柄な女性が入ってきた。
そして、はいこれとクリスに茶封筒を手渡す。

「流石はマリカ、仕事が早いわね。あ、笹原君、彼女は鈴音マリカ。うちの会計担当のスペシャリストよ」
とザッと封筒の中身を確認しながら満足げに頷きつつ、マリカを紹介するクリス。

「おー、君が先日配属されてきたルーキー君やね。あ、うちの事はマリカでええよ。どう、頑張ってる?」
「バッチリですよ、マリカ先輩。さっきもクリス先輩から及第点を貰った所です」
「ほほう。クリスから及第点を取ったんなら大したもんや、感心感心」

そんなやりとりをしていたマリカに書類を読み終わったクリスが声をかける。
「前回よりも見積金額が上がってるみたいね、経過は順調ってところかしら?」
「そうなんよ。品質は全体的に前回よりも上やね」
とマリカ。
そのやりとりに小首を傾げているルッツに気が付いたクリスが概要を説明し始める。
「我が社では今、高級素材の第一弾として幾つかの契約農家に声をかけてリンネの原材料となる亜麻の栽培を促進しているのよ」
「品質に関わらずに必ず亜麻を買い取るという最低限の保証と共にさらに品質に応じた値段でより高額で買い取るとしているわけやねん」
「亜麻の栽培技術を底上げする為の支援施策的な意味合いが強いけど、品質が悪い亜麻でもリンネの製造研究に使えるから無駄にはならないけどね」
「うちの会社も今まではコットンとかが主力商品やったからねえ。亜麻を用いた紡績や織物の技術研究も必要と言う訳や」
とクリスとマリカの説明を聞き、やっと得心が言ったルッツは
「なるほど、それで見積金額の向上=亜麻の品質向上に繋がる訳ですね」
と相槌を打つ。

「そういうこと。あ、そうだ」
何かを思い付いたらしいクリスは早速、携帯電話で何処かへと連絡を取り、約束を取り付けると携帯を閉じた。

「これで良し。さて笹原君、早速出かけるから準備してね」
「は、はい〜」

と慌ただしく出掛ける2人と行ってらっしゃーいとそれを見送るマリカ。

/*/

農家で実地研修+締めの予定。


  [No.1545] 途中経過報告3(一先ず草稿は完了) 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/20(Mon) 12:24:45

当初考えていたお話から大分ズレてしまった気もするけど、取り敢えずはこれで一旦草稿は完成です。
後は暫く時間をおいてから見直して、修正したものが決定稿になる予定です。

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思い出

それは私がまだ幼い頃の思い出。
母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。

/*/

辞令

今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働しており、どんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。

その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。

「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」

最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも反射的に返事をした。

「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」

眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう」

「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」

「うん。ある意味、繊維に夢中な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ」

「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います」
目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。

「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ」
そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。

彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。


/*/

ルーキーと先輩

タタタッ、タタッ、タタタッ
軽快なタイピング音が響き、ピシッとスーツを着込んだ女性が滑らかな所作でキーボードに次々と文章を打ち込んでいく。

そこにドアをノックする音がしたかと思うと勢い良くドアが開かれた。
「失礼します。本日付で本部署に配属となった笹原ルッツです。よろしくお願いします!!」

スーツの女性こと藤宮クリスは手を止めると席を立ってルッツを出迎えた。
「ああ、話は聞いているわ。君が笹原君ね。こちらこそよろしく。さ、こっちの席に座って」

勧められるままに席に付いたルッツは早速勢い込んで口を開いた。
「それで何をしましょうか。まずは企画書でしょうか。それとも会議とか、人員集めとかですか。」
「ちょ、ちょっとストープ!一度にそんなに答えられないわよ。落ちつきなさい」
「は、はい。すみません」
怒涛の勢いで放たれる質問の数々を片手を挙げてストップさせるクリス嬢。
「しかしえらく張り切ってるわねえ。」
「それは勿論。何と言っても入社してから早2年、ようやく任された大仕事ですからね!」
なるほど、熱意は合格ねとクリス嬢。
「じゃあまず君に直ぐに仕事を任せられるかどうか、軽くテストしましょうか。そうね、今回の目標である高級素材とは何かを簡潔に説明してみて」
「うぐっ!?えっと、た、高くて綺麗でそれから…(もごもご)」
「はい、不合格!駄目ねえ、これから自分がやる事なんだからそこは直ぐに答えないと勉強不足よ」
想定外の質問に目を白黒させて口ごもるルッツとその様子を見てバッサリとNGを出すクリス。
「では笹原君は本企画に取り掛かる前にまずはこれを読んでしっかりと基礎を身に付ける事」
とクリスが示した先にはどっさりと積まれた関連書籍の山が鎮座していた。
「うう…、わっかりました〜」
とほほと眉を八の字に下げて答えるルッツであった。

そして二日後

ダッダッダッ。バー―ン
「クリス先輩、言われた通り資料を読破しました!」
勢い良く部屋に駆け込んで開口一番にルッツは自信満々でそう宣言した。
えっ、もう?と少し意外そうに目を丸くするクリス。
「はい!まっかせて下さい。バッチリです」
うーんと軽く考える素振りの後、クリスは再び問題を告げた。
「では再テスト。高級素材とは?」

「はい。細く長い高品質の繊維原料を用いてより細く、均一な太さになるように作られた糸や布地等のアパレル素材の事です」
「天然繊維はその数の希少さから、化学繊維の場合は生成や取扱に高度な技術を要求される事から繊維の太さが細いものほどその価値は高く評価されています」
「またそうした細い糸で作られた素材から出来た衣服は風合いが良く、これらの事から細い繊維からなるアパレル素材は高級素材として重宝されています」

「うーん。本当はもう少し簡潔にまとめれると良いんだけど、まあ及第点かな」
クリスの評価を聞いて、ルッツが小さくガッツポーズと取っていると

コンコンと軽いノック音と共に
「毎度ー、クリス居る〜?この間頼まれてた見積もりできたでー」
右手にソロバンと茶封筒を持って、大きなまん丸眼鏡とくりっとした大きな目が印象的な小柄な女性が入ってきた。
そして、はいこれとクリスに茶封筒を手渡す。

「流石はマリカ、仕事が早いわね。あ、笹原君、彼女は鈴音マリカ。うちの会計担当のスペシャリストよ」
とザッと封筒の中身を確認しながら満足げに頷きつつ、マリカを紹介するクリス。

「おー、君が先日配属されてきたルーキー君やね。あ、うちの事はマリカでええよ。どう、頑張ってる?」
「バッチリですよ、マリカ先輩。さっきもクリス先輩から及第点を貰った所です」
「ほほう。クリスから及第点を取ったんなら大したもんや、感心感心」

そんなやりとりをしていたマリカに書類を読み終わったクリスが声をかける。
「前回よりも見積金額が上がってるみたいね、経過は順調ってところかしら?」
「そうなんよ。品質は全体的に前回よりも上やね」
とマリカ。
そのやりとりに小首を傾げているルッツに気が付いたクリスが概要を説明し始める。
「我が社では今、高級素材の第一弾として幾つかの契約農家に声をかけてリンネの原材料となる亜麻の栽培を促進しているのよ」
「品質に関わらずに必ず亜麻を買い取るという最低限の保証と共にさらに品質に応じた値段でより高額で買い取るとしているわけやねん」
「亜麻の栽培技術を底上げする為の支援施策的な意味合いが強いけど、品質が悪い亜麻でもリンネの製造研究に使えるから積極的に推奨しているのよ」
「うちの会社も今まではコットンとかが主力商品やったからねえ。亜麻を用いた紡績や織物の技術研究も必要と言う訳や」
とクリスとマリカの説明を聞き、やっと得心が言ったルッツは
「なるほど、それで見積金額の向上=亜麻の品質向上に繋がる訳ですね」
と相槌を打つ。

「そういうこと。あ、そうだ」
何かを思い付いたらしいクリスは早速、携帯電話で何処かへと連絡を取り、約束を取り付けると携帯を閉じた。

「これで良し。さて笹原君、早速出かけるから準備してね」
「は、はい〜」

と慌ただしく準備を済ませて出掛ける2人と行ってらっしゃーいとそれを見送るマリカ。

/*/

決意よ響け〜始めの一歩〜

クリスに連れられてルッツが辿り着いた所は地下階層の吹き抜け直下の亜麻畑。
腰の高さの一年草が視界一面に緑の絨毯となって広がる見晴らしの良い風景に、
ポツンと所在無げに幅広なトラクターが佇んでいた。
その側では素朴な雰囲気の農家のおじさんが思案顔でトラクターとにらめっこしていた。

「お久しぶりです、田中さん。どうしました?」
クリスが農家のおじさんに尋ねると
「おお、こんにちは、クリスさん。いやーそれが作業途中でトラクターが動かなくなってしまってね」
いやはや参ったよと田中さん。
「すいません、ちょっと見せて貰って良いですか?」
何処からともなくマイスパナを取り出して腕捲りをはじめるルッツ
「君は?」
「あ、彼は弊社の新人の笹原です」とクリスが軽く紹介
「ああ、今朝言っていた新人の。見るのは別に構わんが…」
「大丈夫なの?」
「ええ、まっかせて下さい。こう見えても整備士免許持ってるんですから」
そう言うとルッツはいそいそとトラクターに向き合い、早速作業に取り掛かった。

30分後
「これで良し」とトラクターのカバーを閉めると額ににじんだ汗を軽く拭ってルッツは顔を上げた。
「さ、これでいける筈です。田中さん、ちょっと動かしてみて下さい」
ルッツに促されてトラクターを動かすと軽快な動作音と共に前進を再開し、順調に亜麻を刈り入れ始める。
「おお、動いた動いた。いやー大したもんだ」
「本当ね、人間誰しも1つは得意な事があるものねえ」
心底意外そうに感心するクリス。
「心外だなあ。工業学校を出てるんだから、このくらいなら朝飯前ですって」
「でも本当に助かったよ。ありがとうねえ、さあさあじゃがバターでもお食べ」
口を尖らせながらぼやくルッツに田中さんの奥さんが差し入れを持ってきたじゃがバターを渡す。
ほのかに甘みを帯びたバターの香りがルッツの鼻孔をくすぐり、早速パクリと一口食べる。
程良く馴染んだバターの塩味とほこほこのじゃがいもが絶妙のハーモニーを奏でる。
ハフハフと美味しそうに頬張っているとルッツの機嫌は立ち所にコロッと良くなり、ニッコリと満面の笑みを浮かべる。

「しかし頼もしい助っ人が来てくれて良かったわね、あんた」
「全くだな、これで今季の収穫の人手不足も解消だ」
と田中夫妻。
ハヒ?とじゃがバターを頬張りながら、やっぱり話が見えないルッツは頭上にクエスチョンマークを浮かべて小首を傾げる。
「ああ、突発だけど笹原君には今日から約1ヶ月間、こちらの田中さんの所で収穫のお手伝いをして貰うから」
ニッコリと良い笑顔のクリス。
「ええ!?本当に唐突なんですが、クリス先輩(汗」
「まあまあ思い立ったが吉日と言うでしょ。丁度、収穫シーズンだったし。但し、これはうちで行うプロジェクトとしても重要な事よ?」
「重要…ですか?」
「ええ。今はまだ試験的な段階だけど、今後本格的に亜麻の栽培が始まれば収穫量が跳ね上がって恐らく古くからの手作業ではとても追いつかないのよ」
「実際、それで笹原君に手伝って貰うわけだけど」
「は、はあ」微妙な表情で相槌を打つルッツ。
「うーん。ピンとこないかな?つまり何時かは収穫した亜麻を出荷できる状態まで持って行く為のシステム化が必要になってくるって事」
「そしてそのときには現場での経験が必ず役立つはずよ」
「え、それってひょっとして?」
眼で問いかけるルッツにクリスが頷きを返す。
「その通り!システム化の際には笹原君に主力メンバーとして頑張って貰う事になるわ」
「おお!なるほど、そういう事なら万事了解です」
見る見る元気になったルッツは全身の元気を声に込めて決意表明
「不肖、このルッツに万事、まっっっっかせて下さい!!」

辺りに響けとばかりに地下に元気に響くルーキーの声
天井の吹き抜けを通り抜けてきた一陣の涼風がその声を拾い上げ
視界の果てまで続く亜麻の緑の海原を撫でながら何処までも吹き抜けて行った。


  [No.1546] おつかれさまー!! 投稿者:守上藤丸  投稿日:2010/09/20(Mon) 12:27:22

お疲れ様お疲れ様!!
あとで見させてもらうねぇ〜〜〜(←己がイラストで一杯一杯)

> 当初考えていたお話から大分ズレてしまった気もするけど、取り敢えずはこれで一旦草稿は完成です。
> 後は暫く時間をおいてから見直して、修正したものが決定稿になる予定です。
>
> /*/
>
> 思い出
>
> それは私がまだ幼い頃の思い出。
> 母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
> その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
> 当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
> そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。
>
> /*/
>
> 辞令
>
> 今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働してどんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。
>
> その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。
>
> 「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」
>
> 最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも
>
> 「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」
>
> 眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
> 「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう」
>
> 「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」
>
> 「うん。ある意味、繊維にお熱な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ」
>
> 「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います」
> 目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。
>
> 「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ」
> そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。
>
> 彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。
>
>
> /*/
>
> ルーキーと先輩
>
> タタタッ、タタッ、タタタッ
> 軽快なタイピング音が響き、ピシッとスーツを着込んだ女性が滑らかな所作でキーボードに次々と文章を打ち込んでいく。
>
> そこにドアをノックする音がしたかと思うと勢い良くドアが開かれた。
> 「失礼します。本日付で本部署に配属となった笹原ルッツです。よろしくお願いします!!」
>
> スーツの女性こと藤宮クリスは手を止めると席を立ってルッツを出迎えた。
> 「ああ、話は聞いているわ。君が笹原君ね。こちらこそよろしく。さ、こっちの席に座って」
>
> 勧められるままに席に付いたルッツは早速勢い込んで口を開いた。
> 「それで何をしましょうか。まずは企画書でしょうか。それとも会議とか」
> 「ちょ、ちょっとストープ!一度にそんなに答えられないわよ。落ちつきなさい」
> 「は、はい。すみません」
> 怒涛の勢いで放たれる質問の数々を片手を挙げてストップさせるクリス嬢。
> 「しかしえらく張り切ってるわねえ。」
> 「それは勿論。何と言っても入社してから早2年、ようやく任された大仕事ですからね!」
> なるほど、熱意は合格ねとクリス嬢。
> 「じゃあまず君に直ぐに仕事を任せられるかどうか、軽くテストしましょうか。そうね、今回の目標である高級素材とは何かを簡潔に説明してみて」
> 「うぐっ!?えっと、高くて綺麗で(もごもご)」
> 「はい、不合格!駄目ねえ、これから自分がやる事なんだからそこは直ぐに答えないと勉強不足よ」
> 想定外の質問に目を白黒させて口ごもるルッツとその様子を見てスッパリとNGを出すクリス。
> 「では笹原君は仕事の前にまずはこれを読んでしっかりと基礎を身に付ける事」
> とクリスが示した先にはどっさりと積まれた関連書籍の山が鎮座していた。
> 「うう…、わっかりました〜」
> とほほと眉を八の字にして答えるルッツであった。
>
> そして二日後
>
> 「クリス先輩、言われた通り資料を読破しました!」
> 開口一番に自信満々でルッツはそう宣言した。
> えっ、もう?と少し意外そうに目を丸くするクリス。
> 「はい!まっかせて下さい。バッチリです」
> 「では再テスト。高級素材とは?」
>
> 「はい。細く長い高品質の繊維原料を用いてより細く、均一な太さになるように作られた糸や布地等のアパレル素材の事です」
> 「そして天然繊維はその数の希少さから、化学繊維の場合は生成や取扱に高度な技術が要求される事から細い繊維は高価なものになってます」
> 「またそうした細い糸で作られた素材から出来た衣服は風合いが良く、重宝されています」
>
> 「うーん。本当はもう少し簡潔にまとめれると良いんだけど、まあ及第点かな」
> との評価を聞いて、ルッツが小さくガッツポーズと取っていると
>
> コンコンと軽いノック音と共に
> 「毎度ー、クリス居る〜?この間頼まれてた見積もりできたでー」
> 右手にソロバンと茶封筒を持って、大きなまん丸眼鏡とくりっとした大きな目が印象的な小柄な女性が入ってきた。
> そして、はいこれとクリスに茶封筒を手渡す。
>
> 「流石はマリカ、仕事が早いわね。あ、笹原君、彼女は鈴音マリカ。うちの会計担当のスペシャリストよ」
> とザッと封筒の中身を確認しながら満足げに頷きつつ、マリカを紹介するクリス。
>
> 「おー、君が先日配属されてきたルーキー君やね。あ、うちの事はマリカでええよ。どう、頑張ってる?」
> 「バッチリですよ、マリカ先輩。さっきもクリス先輩から及第点を貰った所です」
> 「ほほう。クリスから及第点を取ったんなら大したもんや、感心感心」
>
> そんなやりとりをしていたマリカに書類を読み終わったクリスが声をかける。
> 「前回よりも見積金額が上がってるみたいね、経過は順調ってところかしら?」
> 「そうなんよ。品質は全体的に前回よりも上やね」
> とマリカ。
> そのやりとりに小首を傾げているルッツに気が付いたクリスが概要を説明し始める。
> 「我が社では今、高級素材の第一弾として幾つかの契約農家に声をかけてリンネの原材料となる亜麻の栽培を促進しているのよ」
> 「品質に関わらずに必ず亜麻を買い取るという最低限の保証と共にさらに品質に応じた値段でより高額で買い取るとしているわけやねん」
> 「亜麻の栽培技術を底上げする為の支援施策的な意味合いが強いけど、品質が悪い亜麻でもリンネの製造研究に使えるから無駄にはならないけどね」
> 「うちの会社も今まではコットンとかが主力商品やったからねえ。亜麻を用いた紡績や織物の技術研究も必要と言う訳や」
> とクリスとマリカの説明を聞き、やっと得心が言ったルッツは
> 「なるほど、それで見積金額の向上=亜麻の品質向上に繋がる訳ですね」
> と相槌を打つ。
>
> 「そういうこと。あ、そうだ」
> 何かを思い付いたらしいクリスは早速、携帯電話で何処かへと連絡を取り、約束を取り付けると携帯を閉じた。
>
> 「これで良し。さて笹原君、早速出かけるから準備してね」
> 「は、はい〜」
>
> と慌ただしく出掛ける2人と行ってらっしゃーいとそれを見送るマリカ。
>
> /*/
>
> 決意よ響け〜始めの一歩〜
>
> クリスに連れられてルッツが辿り着いた所は地下階層の吹き抜け直下の亜麻畑。
> 腰の高さの一年草が視界一面に緑の絨毯となって広がる見晴らしの良い風景に、
> ポツンと所在無げに幅広なトラクターが佇んでいた。
> その側では素朴な雰囲気の農家のおじさんが思案顔でトラクターとにらめっこしていた。
>
> 「お久しぶりです、田中さん。どうしました?」
> クリスが農家のおじさんに尋ねると
> 「おお、こんにちは、クリスさん。いやーそれが作業途中でトラクターが動かなくなってしまってね」
> いやはや参ったよと田中さん。
> 「すいません、ちょっと見せて貰って良いですか?」
> 何処からともなくマイスパナを取り出して腕捲りをはじめるルッツ
> 「君は?」
> 「あ、彼は弊社の新人の笹原です」とクリスが軽く紹介
> 「ああ、今朝言っていた新人の。見るのは別に構わんが…」
> 「大丈夫なの?」
> 「ええ、まっかせて下さい。こう見えても整備士免許持ってるんですから」
> そう言うとルッツはいそいそとトラクターに向き合い、早速作業に取り掛かった。
>
> 30分後
> 「これで良し」とトラクターのカバーを閉めると額ににじんだ汗を軽く拭ってルッツは顔を上げた。
> 「さ、これでいける筈です。田中さん、ちょっと動かしてみて下さい」
> ルッツに促されてトラクターを動かすと軽快な動作音と共に前進を再開し、順調に亜麻を刈り入れ始める。
> 「おお、動いた動いた。いやー大したもんだ」
> 「本当ね、人間誰しも1つは得意な事があるものねえ」
> 心底意外そうに感心するクリス。
> 「心外だなあ。工業学校を出てるんだから、このくらいなら朝飯前ですって」
> 「でも本当に助かったよ。ありがとうねえ、さあさあじゃがバターでもお食べ」
> 口を尖らせながらぼやくルッツに田中さんの奥さんが差し入れを持ってきていたじゃがバターを渡す。
> ほのかに甘みを帯びたバターの香りがルッツの鼻孔をくすぐり、パクリと一口食べると
> 程良く馴染んだバターの塩味とほこほこのじゃがいもが絶妙のハーモニーを奏でる。
> ハフハフと美味しそうに頬張っているとルッツの機嫌は立ち所にコロッと良くなり、ニッコリと満面の笑みを浮かべる。
>
> 「しかし頼もしい助っ人が来てくれて良かったわね、あんた」
> 「全くだな、これで今季の収穫の人手不足も解消だ」
> と田中夫妻。
> ハヒ?とじゃがバターを頬張りながら、話が見えないルッツは頭上にクエスチョンマークを浮かべて小首を傾げる。
> 「ああ、突発だけど笹原君には今日から約1ヶ月間、こちらの田中さんの所で収穫のお手伝いをして貰うから」
> ニッコリと良い笑顔のクリス。
> 「ええ!?本当に唐突なんですが、クリス先輩(汗」
> 「まあまあ思い立ったが吉日と言うでしょ。丁度、収穫シーズンだったし。但し、これはうちで行うプロジェクトとしても重要な事よ?」
> 「重要…ですか?」
> 「ええ。今はまだ試験的な段階だけど、今後本格的に亜麻の栽培が始まれば収穫量が跳ね上がって恐らく古くからの手作業ではとても追いつかないのよ」
> 「実際、それで笹原君に手伝って貰うわけだけど」
> 「は、はあ」微妙な表情で相槌を打つルッツ。
> 「うーん。ピンとこないかな?つまり何時かは収穫した亜麻を出荷できる状態まで持って行く為のシステム化が必要になってくるって事」
> 「そしてそのときには現場での経験が必ず役立つはずよ」
> 「え、それってひょっとして?」
> 「その通り!システム化の際には笹原君に主力メンバーとして頑張って貰う事になるわ」
> 「おお!なるほど、そういう事なら万事了解です」
> 見る見る元気になったルッツは全身の元気を声に込めて決意表明
> 「不肖、このルッツに万事、まっっっっかせて下さい!!」
>
> 辺りに響けとばかりに地下に元気に響くルーキーの声
> 天井の吹き抜けを通り抜けてきた一陣の涼風がその声を拾い上げ
> 視界の果てまで続く亜麻の緑の海原を撫でながら何処までも吹き抜けて行った。


  [No.1547] 取り敢えず決定稿(修正1) 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/20(Mon) 21:44:43

草稿はどうも締めが弱かったので、ちょっと追加。
特に問題が無ければ、これを決定稿でお願いしまーす。

タイトル:ルーキー君の奮闘記

/*/

思い出

それは私がまだ幼い頃の思い出。
母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。

/*/

辞令

今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働しており、どんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。

その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。

「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」

最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも反射的に返事をした。

「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」

眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう」

「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」

「うん。ある意味、繊維に夢中な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ」

「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います」
目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。

「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ」
そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。

彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。


/*/

ルーキーと先輩

タタタッ、タタッ、タタタッ
軽快なタイピング音が響き、ピシッとスーツを着込んだ女性が滑らかな所作でキーボードに次々と文章を打ち込んでいく。

そこにドアをノックする音がしたかと思うと勢い良くドアが開かれた。
「失礼します。本日付で本部署に配属となった笹原ルッツです。よろしくお願いします!!」

スーツの女性こと藤宮クリスは手を止めると席を立ってルッツを出迎えた。
「ああ、話は聞いているわ。君が笹原君ね。こちらこそよろしく。さ、こっちの席に座って」

勧められるままに席に付いたルッツは早速勢い込んで口を開いた。
「それで何をしましょうか。まずは企画書でしょうか。それとも会議とか、人員集めとかですか。」
「ちょ、ちょっとストープ!一度にそんなに答えられないわよ。落ちつきなさい」
「は、はい。すみません」
怒涛の勢いで放たれる質問の数々を片手を挙げてストップさせるクリス嬢。
「しかしえらく張り切ってるわねえ。」
「それは勿論。何と言っても入社してから早2年、ようやく任された大仕事ですからね!」
なるほど、熱意は合格ねとクリス嬢。
「じゃあまず君に直ぐに仕事を任せられるかどうか、軽くテストしましょうか。そうね、今回の目標である高級素材とは何かを簡潔に説明してみて」
「うぐっ!?えっと、た、高くて綺麗でそれから…(もごもご)」
「はい、不合格!駄目ねえ、これから自分がやる事なんだからそこは直ぐに答えないと勉強不足よ」
想定外の質問に目を白黒させて口ごもるルッツとその様子を見てバッサリとNGを出すクリス。
「では笹原君は本企画に取り掛かる前にまずはこれを読んでしっかりと基礎を身に付ける事」
とクリスが示した先にはどっさりと積まれた関連書籍の山が鎮座していた。
「うう…、わっかりました〜」
とほほと眉を八の字に下げて答えるルッツであった。

そして二日後

ダッダッダッ。バー―ン
「クリス先輩、言われた通り資料を読破しました!」
勢い良く部屋に駆け込んで開口一番にルッツは自信満々でそう宣言した。
えっ、もう?と少し意外そうに目を丸くするクリス。
「はい!まっかせて下さい。バッチリです」
うーんと軽く考える素振りの後、クリスは再び問題を告げた。
「では再テスト。高級素材とは?」

「はい。細く長い高品質の繊維原料を用いてより細く、均一な太さになるように作られた糸や布地等のアパレル素材の事です」
「天然繊維はその数の希少さから、化学繊維の場合は生成や取扱に高度な技術を要求される事から繊維の太さが細いものほどその価値は高く評価されています」
「またそうした細い糸で作られた素材から出来た衣服は風合いが良く、これらの事から細い繊維からなるアパレル素材は高級素材として重宝されています」

「うーん。本当はもう少し簡潔にまとめれると良いんだけど、まあ及第点かな」
クリスの評価を聞いて、ルッツが小さくガッツポーズと取っていると

コンコンと軽いノック音と共に
「毎度ー、クリス居る〜?この間頼まれてた見積もりできたでー」
右手にソロバンと茶封筒を持って、大きなまん丸眼鏡とくりっとした大きな目が印象的な小柄な女性が入ってきた。
そして、はいこれとクリスに茶封筒を手渡す。

「流石はマリカ、仕事が早いわね。あ、笹原君、彼女は鈴音マリカ。うちの会計担当のスペシャリストよ」
とザッと封筒の中身を確認しながら満足げに頷きつつ、マリカを紹介するクリス。

「おー、君が先日配属されてきたルーキー君やね。あ、うちの事はマリカでええよ。どう、頑張ってる?」
「バッチリですよ、マリカ先輩。さっきもクリス先輩から及第点を貰った所です」
「ほほう。クリスから及第点を取ったんなら大したもんや、感心感心」

そんなやりとりをしていたマリカに書類を読み終わったクリスが声をかける。
「前回よりも見積金額が上がってるみたいね、経過は順調ってところかしら?」
「そうなんよ。品質は全体的に前回よりも上やね」
とマリカ。
そのやりとりに小首を傾げているルッツに気が付いたクリスが概要を説明し始める。
「我が社では今、高級素材の第一弾として幾つかの契約農家に声をかけてリンネの原材料となる亜麻の栽培を促進しているのよ」
「品質に関わらずに必ず亜麻を買い取るという最低限の保証と共にさらに品質に応じた値段でより高額で買い取るとしているわけやねん」
「亜麻の栽培技術を底上げする為の支援施策的な意味合いが強いけど、品質が悪い亜麻でもリンネの製造研究に使えるから積極的に推奨しているのよ」
「うちの会社も今まではコットンとかが主力商品やったからねえ。亜麻を用いた紡績や織物の技術研究も必要と言う訳や」
とクリスとマリカの説明を聞き、やっと得心が言ったルッツは
「なるほど、それで見積金額の向上=亜麻の品質向上に繋がる訳ですね」
と相槌を打つ。

「そういうこと。あ、そうだ」
何かを思い付いたらしいクリスは早速、携帯電話で何処かへと連絡を取り、約束を取り付けると携帯を閉じた。

「これで良し。さて笹原君、早速出かけるから準備してね」
「は、はい〜」

と慌ただしく準備を済ませて出掛ける2人と行ってらっしゃーいとそれを見送るマリカ。

/*/

決意よ響け

クリスに連れられてルッツが辿り着いた所は地下階層の吹き抜け直下の亜麻畑。
腰の高さの一年草が視界一面に緑の絨毯となって広がる見晴らしの良い風景に、
ポツンと所在無げに幅広なトラクターが佇んでいた。
その側では素朴な雰囲気の農家のおじさんが思案顔でトラクターとにらめっこしていた。

「お久しぶりです、田中さん。どうしました?」
クリスが農家のおじさんに尋ねると
「おお、こんにちは、クリスさん。いやーそれが作業途中でトラクターが動かなくなってしまってね」
いやはや参ったよと田中さん。
「すいません、ちょっと見せて貰って良いですか?」
何処からともなくマイスパナを取り出して腕捲りをはじめるルッツ
「君は?」
「あ、彼は弊社の新人の笹原です」とクリスが軽く紹介
「ああ、今朝言っていた新人の。見るのは別に構わんが…」
「大丈夫なの?」
「ええ、まっかせて下さい。こう見えても整備士免許持ってるんですから」
そう言うとルッツはいそいそとトラクターに向き合い、早速作業に取り掛かった。

30分後
「これで良し」とトラクターのカバーを閉めると額ににじんだ汗を軽く拭ってルッツは顔を上げた。
「さ、これでいける筈です。田中さん、ちょっと動かしてみて下さい」
ルッツに促されてトラクターを動かすと軽快な動作音と共に前進を再開し、順調に亜麻を刈り入れ始める。
「おお、動いた動いた。いやー大したもんだ」
「本当ね、人間誰しも1つは得意な事があるものねえ」
心底意外そうに感心するクリス。
「心外だなあ。工業学校を出てるんだから、このくらいなら朝飯前ですって」
「でも本当に助かったよ。ありがとうねえ、さあさあじゃがバターでもお食べ」
口を尖らせながらぼやくルッツに田中さんの奥さんが差し入れを持ってきたじゃがバターを渡す。
ほのかに甘みを帯びたバターの香りがルッツの鼻孔をくすぐり、早速パクリと一口食べる。
程良く馴染んだバターの塩味とほこほこのじゃがいもが絶妙のハーモニーを奏でる。
ハフハフと美味しそうに頬張っているとルッツの機嫌は立ち所にコロッと良くなり、ニッコリと満面の笑みを浮かべる。

「しかし頼もしい助っ人が来てくれて良かったわね、あんた」
「全くだな、これで今季の収穫の人手不足も解消だ」
と田中夫妻。
ハヒ?とじゃがバターを頬張りながら、やっぱり話が見えないルッツは頭上にクエスチョンマークを浮かべて小首を傾げる。
「ああ、突発だけど笹原君には今日から約1ヶ月間、こちらの田中さんの所で収穫のお手伝いをして貰うから」
ニッコリと良い笑顔のクリス。
「ええ!?本当に唐突なんですが、クリス先輩(汗」
「まあまあ思い立ったが吉日と言うでしょ。丁度、収穫シーズンだったし。但し、これはうちで行うプロジェクトとしても重要な事よ?」
「重要…ですか?」
「ええ。今はまだ試験的な段階だけど、今後本格的に亜麻の栽培が始まれば収穫量が跳ね上がって恐らく古くからの手作業ではとても追いつかないのよ」
「実際、それで笹原君に手伝って貰うわけだけど」
「は、はあ」微妙な表情で相槌を打つルッツ。
「うーん。ピンとこないかな?つまり何時かは収穫した亜麻を出荷できる状態まで持って行く為のシステム化が必要になってくるって事」
「そしてそのときには現場での経験が必ず役立つはずよ」
「え、それってひょっとして?」
眼で問いかけるルッツにクリスが頷きを返す。
「その通り!システム化の際には笹原君に主力メンバーとして頑張って貰う事になるわ」
「おお!なるほど、そういう事なら万事了解です」
見る見る元気になったルッツは全身の元気を声に込めて決意表明
「不肖、このルッツに万事、まっっっっかせて下さい!!」

辺りに響けとばかりに地下に元気に響くルーキーの声
天井の吹き抜けを通り抜けてきた一陣の涼風がその声を拾い上げ
視界の果てまで続く亜麻の緑の海原を撫でながら何処までも吹き抜けて行った。

/*/

始めの一歩

それから数週間が経過した。
亜麻の収穫
水に漬け込む事で亜麻の繊維部分以外を腐らせて取り除く為のレッティング
レッティング後の亜麻を乾燥させる為に円錐形に集めたチャペルを野外に作って干す
という作業をルッツは田中さんを手伝いながら延々と繰り返し行った。

始めの1週間は慣れない肉体労働による筋肉痛に苦しめられたが、やがては筋肉痛も収まり
レッティング時の悪臭にもどうにか慣れ、繊維を痛めないようにチャペルを作るコツも掴んだ。
しかしその頃にはルッツは疲労困憊していた。
始めて食べた時にはあれ程おいしかった田中夫人のジャガイモ料理も流石に毎日3食とも食べる事になってはすっかり飽きてしまった。
(何でも亜麻の連作障害を予防する為に一定サイクルでジャガイモを栽培するんだそうで、タンマリとストックがあった。)
じゃがバターをもそもそと食べながら、今日も変わり映えのしない作業を思うと思わずそっと溜息がもれた。

そんなある日の昼下がりに久し振りにクリスとマリカが様子を見に訪れた。
差し入れの昼食を持参してくれた先輩達に誘われてルッツは畑が見下ろせる見晴らしの良い小高い丘の上でお昼を食べる事となった。
「調子はどんな感じ?作業には慣れたかしら?」
「ええ、始めは苦戦しましたが、今ではコツも掴んで割と順調に進められています。ただ…」
「その割にはルーキーくん、冴えない顔色やね」
浮かない顔のルッツにマリカが尋ねた。
「流石に毎日ジャガイモばかりは飽きてしまいました。変わり映えしない日常がこんなに大変だとは思いませんでしたよ」
「なるほどねえ」
「それでクリス先輩達は今日はまたどうして?」
「まあ丁度そろそろへこたれてる頃だろうから、発破をかけにね。はい、差し入れのハンバーガー」
そう言ってバスケットに被せていた布巾を退けるとそこにはボリューム満点のハンバーガーがずらりと収まっていた。
「おお!お肉ですか。良いですねえ」
思わずジュルリと舌なめずりをするルッツ
「頂きまーす」
ガブリとハンバーガーに食らいつくとジューシーな肉汁がじんわりと口の中に広がる。
ルッツは噛みしめる様に味わいながら黙々と食べ始めた。
クリスとマリカはルッツが落ち着くまで暫くその健啖ぶりを眺めていた。
「良い食べっぷりだねえ。そんなルーキー君にはもう1つ差し入れや」
そう言ってマリカが取り出したのはケチャップだった。
「何でまたケチャップ?」
「これはただのケチャップやあらへんでー。1ランク上のうちお勧めの一品や」
「フライドポテトは塩で食べるのも美味しいけど、ケチャップ付けて食べるとまた一味違って美味しいんよ」
そしてほい、とルッツにケチャップを渡す。
「確かに大変だとは思うけど、もう一頑張りよ、笹原君」
と言うとクリスは畑の方を指差した。
釣られるように視線を移した先にあった畑は何時の間にか、その面積の大半が刈り入れられており、残りの方が少なくなっていた。
「ま、そんな訳だからファイトだよ、ルーキー君?」
「は、はい。わっかりましたー」

それから残りの刈り入れが終わるまでの数週間の間、
再びやる気を取り戻したルッツはおやつ代わりのフライドポテトにケチャップを付けて食べながら奮起したのであった。

そしてレッティングとその後の乾燥が終わった亜麻の束のストックが溜まってきたある日。
遂に次のステップに進む事になったのである。

スカッチングと呼ばれる工程で乾燥後の亜麻の束から茎の繊維以外の部位をドンドンと叩き落とし、
ハックリングで大きな剣山のようなブラシで束からさらに不要物をこすり落とし、柔らかい繊維だけにする。
そうして茎から取り出した繊維を昔ながらの道具を用いて水でぬらした指でねじりながら糸を紡ぐ。

ルッツが自力で何とか紡いだ糸をそれらの作業の合間に時折、感慨深げに眺めていたりしつつ、全力で作業に従事したのであった。
こうして順調に作業と時間は進み、手伝いの最終日の夕暮れ時。
自分の家への帰り道にルッツは田中夫人からのプレゼントのリンネのハンカチを広げて嬉しそうに眺めていた。
それはルッツが紡いだ糸を田中夫人が織ってハンカチとしてプレゼントしてくれたものだった。
天井の吹き抜けから差し込む斜光を浴びてオレンジ色の光沢に輝くリンネのハンカチは幼い頃に見たあの布地には劣るものの、
ルッツにとってはその夢への紛れも無い第一歩を歩んだ証であった。


  [No.1544] 気になった点。 投稿者:乃亜・クラウ・オコーネル  投稿日:2010/09/20(Mon) 10:02:39

# ものすごい遅い思いつきですみません(汗)

# 化繊のうち、耐燃性などを持つ繊維、あるいはガラス繊維あたりの開発・作成・取り扱い等は、
# 健康被害・公害にならないよう、取り扱いに注意したり、廃棄する際にも気を使っている、・・ような一文を挟む方が良いやもです。

# ものすごい大雑把ですが、「人工の丈夫で強い繊維」は「自然界・体内でも分解されにくい」ことが多いので。(あんまり吸い込んだりしない方が良い。)


  [No.1548] ss 計画・桑の木 投稿者:うさぎ  投稿日:2010/09/20(Mon) 23:16:33

承前:企画発動

「おはようございます、うさぎさん。
 いまお時間よろしいですか?」
「あ、うん、おはようさん。
 ちょっと待ってくれ、ここだけやっちゃうから」

今やっているのは自動防衛施設のプログラム改良だ。
こう言うのはこまめに手を入れないとあっという間に陳腐化してしまうのである。
不具合が出た時だけ対応していたのでは、ちょっとした新技術、新戦術に無力化されてしまう。

「……さて、休憩代わりに話を聞こうか」
「ありがとうございます。
 実は、今度の産業育成なんですが繊維産業に手を出そうと考えていまして」
「ああ、この前の会議でやってた奴な。
 ラインを作れって言うなら、必要人数動員できると思うよ。
 材料の輸入ルートと出来た製品の販売ルートさえ考えてもらえば……」
「そうじゃなくってですね。繊維開発そのものをやります。
 出来るだけ高品質高性能な奴を作って、その繊維素材で製品を作ってそれを産業にすることになりました。
 想定購買層は主に藩国外、もっと言うと帝国とかの中、高所得層です」

なん…だと…?

「おい、うちで繊維って言ったらI=Dに使ってる馬鹿高い軍事品と、冶金工場で使ってる化学繊維の類じゃねぇか!
 おっまえ、0から開発って何処まで無茶振りする気だ!」
「でも、そこがナニワっぽいでしょ?
 それに砂よけコートなんかに使ってる、伝統工芸品なんかも潜在技術です。
 あとは高級西国人の正装とか。ほら、結構あるじゃないですか。
 大体、普通の量産品じゃ帝国に価格面で太刀打ちできないんですよ。
 高級品志向で、ちょっと奮発して買うならナニワブランドみたいな」

毛長怪獣ウルールの毛織物は諸般の事情から使えなくなったが、すぐに代替品を探してくるのがナニワアームズであった。
実は羊を育てるのに標高の高い土地と言うのは必ずしも必要でない。涼しくて乾燥した気候と、十分な食料さえあれば条件を満たすのであった。
乾燥した土地に穴を掘って住んでいるナニワアームズは実は羊の育成に向いていたのである。(羊は明るいところが好きなので採光のために穴を開けたこともあってますます羊向きの環境になっている)
そう言った難しい理屈が分からなくても試しに輸入して飼い始めた家がでて来れば(そして成功すると)それをまねする家が出てくるものである。
そういった意味では、畜産技術、製糸技術がまったく無いと言う訳ではなかった。
それを機械技術を入れて拡大してやれば良いとのアイディアだったのだが、そんなものそんな簡単にいくはずも無い。
開発スタッフはいつも通りに地獄を見るのであった。

「じゃ、方法論は任せましたのでがんばって技術発掘してください」

うさぎは、いつも通りに後で〆てやると心に誓った。


1:桑の木

実は羊と言うのは草を食べて育つイメージがあるが割と雑食である。魚粉などを食べさせるところもあるようだ。
特に繊維質の多い葉を与えるところもあり、羊のご飯=草と言うのは当てはまらないのである。
それなら蚕と一緒に桑の葉を食べさせれば良いではないかと言う発想である。
実際、桑羊と言う桑を食べて育てた羊と言うものには前例がありこれに倣うこととした。

クワの木は成長が早く、大きく育つ。(植えて2・3年で収穫可能な大きさに育つ)
今から植林して桑畑を作っても何とかなりそうな種類で、適度に現実的なプランであった。

「これ全部覚えるんですか?データベースに入れて必要なときに閲覧って言う方式じゃ…」

まかされたうさぎが実働担当に雇ったバイトのえにし君(18)は、よく言うと要領のいい子でいつも楽して勝とうと言う事ばかりを考えている。
あれこれ考えるのが好きなのを見込んで雇ったのだが、すきあらば楽をする手口を考えるのが玉に瑕である。

「手間だけ考えれば実例の集約と閲覧をシステム化してもいいんだけどな。
 例えば土のphを酸性にするって言う対策を持った病気の症状が出たとしようか。
 これを見たときに誰かがデータベースに侵入してphをアルカリ性にしろって書き換えられてたらどうするんだ。
 そう言うサイバーテロの危険性をわざわざ抱え込む必要も無いだろう」
「そりゃぁ……そうですけど……」
「そもそもうち林業とかやったこと無いのにうまくいかねぇよ。
 毎年幹や枝を切って株面をつくって、仕立てをやるとか初めて知ったぞ。」

空に向かってぼやいてみるうさぎ。
難しい事は分からないバイト君。

「えーっと、なんで仕立てなんかやらないと駄目なんですか?」
「蚕って言うのは農薬の類が全部駄目なんだよ。病害虫の防除をやるには背が低いほうが良いらしい」
「うちって地下農場のノウハウがありますよね? 密室で育てればそう言うのは気にしなくって良いんじゃないですか?」
「あ」

http://dorill.at.webry.info/200612/article_5.html
まさかの地下王国の勝利だった。
さらに外界からシャットアウトされた施設なら極端な話砂漠のど真ん中でも第4層の隅っこにも設置可能である。
とりあえず調べて真似する所からはじめようとするうさぎと、何とか楽できないか考えるえにし君。
実はいいコンビなのかもしれない。

1頭の蚕は、幼虫の間に桑の葉換算で約20枚を食べる。
通常の桑園からは、10a(100m^2)で年間約2tの桑の葉が取れ、6万頭の蚕を養い、100kgの繭ができる計算だ。
ナニワ式では高刈仕立式(1mくらい)よりもさらに背を高く出来るため初期投資と設備費用をかんがみて差し引きプラスマイナス0程度だと見込まれている。

ちなみに桑の木は木苺のような甘い実をつけるうえに葉をてんぷらにして食べるところもあるそうだ。
有事の際には食料として使う事も出来るのではと期待される。


#ごめんなさい製糸部分は作業中です