書込み色は通常は「この色」で、「緊急告知」や「全体告知」と使い分けてください。
告知・連絡に来て頂いた方々は「外交専用ツリー -1-」をご利用下さいます様お願い致します。

ナニワ作戦会議BBS
[新規順タイトル表示] [ツリー表示] [新着順記事] [留意事項] [ワード検索] [過去ログ] [管理用]

  [No.1541] 途中経過報告2 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2010/09/20(Mon) 01:08:22

なるべく日曜日中に草稿ぐらいは完成させたかったんだけど、ちょっと無理そうなので再び途中の草稿をUPしておきます。
(今の段階では誤字脱字は気にしない方向でお願いします)
一応の目標は明日の昼頃(午後1〜2時ぐらい)までに草稿をまとめて、
夕方ぐらいには決定稿を上げたいなあと考えています。
#時間的にこのSS1本を仕上げた所で時間切れとなりそうです。

/*/

思い出

それは私がまだ幼い頃の思い出。
母方のひいばあちゃんの嫁入り道具であったそれは、灯火の淡い光に照らされて滑らかな光沢を帯びて波打ちながらどこまでも広がっていた。
その目の冴えるような色鮮やかな色彩を持つ布地はまるで極彩色の海原のように私の視界一杯に広がり、手に取るとサラリとした手触りを残して流れた。
当時の私にとっては、その布地は光輝く宝石にも決して負けない素晴らしい宝物に見えた。
そして心に灯った布地への憧憬の灯火は月日が流れ、年を重ねながら工業を学び、成人した後も消える事は無かった…。

/*/

辞令

今日も敷地内の紡績工場は元気に稼働してどんどん搬入される原材料を糸や生地に作り替えて続々と出荷している。

その様を幸せそうに窓から眺めていたルッツの耳に飛び込んで来たのは上司のどなり声だった。

「笹原君、笹原ルッツくん、おーい、ル〜ッツ!こら!聞いているのか、ルッツ!!」

最後の怒声に驚いて我に返ったルッツは目を白黒させながらも

「は、はい。すみません!何かご用でしょうか?」

眉間を揉み解しながらもルッツの上司は彼にこう告げた。
「全く仕方が無い奴だな…。まあそれは兎も角、君には本日付でクリス嬢と一緒に新しい企画に参加してもらう」

「わっかりました!…えーっとそれでその企画って言うのは?」

「うん。ある意味、繊維にお熱な君にまさにぴったりな企画でな。我が社の新しい主力商品となり得る高級素材を作る為のプロジェクトだ」

「な、何と!?わっかりました!その仕事、粉骨砕身の決意で挑ませて貰います」
目に真っ赤に燃える炎が見えるような気勢でルッツは息を巻きながらそう宣言した。

「まあ君なら迷う事無くそう言うとは思ったけどね。うん。クリス嬢は経験豊富なベテラン社員だから、キチンと話を良く聞いて仕事に励んでくれ」
そう言いながら心の中でちょっぴりクリスに同情する上司であった。

彼女にも良く効く胃薬を教えておこうかな…。


/*/

タタタッ、タタッ、タタタッ
軽快なタイピング音が響き、ピシッとスーツを着込んだ女性が滑らかな所作でキーボードに次々と文章を打ち込んでいく。

そこにドアをノックする音がしたかと思うと勢い良くドアが開かれた。
「失礼します。本日付で本部署に配属となった笹原ルッツです。よろしくお願いします!!」

スーツの女性こと藤宮クリスは手を止めると席を立ってルッツを出迎えた。
「ああ、話は聞いているわ。君が笹原君ね。こちらこそよろしく。さ、こっちの席に座って」

勧められるままに席に付いたルッツは早速勢い込んで口を開いた。
「それで何をしましょうか。まずは企画書でしょうか。それとも会議とか」
「ちょ、ちょっとストープ!一度にそんなに答えられないわよ。落ちつきなさい」
「は、はい。すみません」
怒涛の勢いで放たれる質問の数々を片手を挙げてストップさせるクリス嬢。
「しかしえらく張り切ってるわねえ。」
「それは勿論。何と言っても入社してから早2年、ようやく任された大仕事ですからね!」
なるほど、熱意は合格ねとクリス嬢。
「じゃあまず君に直ぐに仕事を任せられるかどうか、軽くテストしましょうか。そうね、今回の目標である高級素材とは何かを簡潔に説明してみて」
「うぐっ!?えっと、高くて綺麗で(もごもご)」
「はい、不合格!駄目ねえ、これから自分がやる事なんだからそこは直ぐに答えないと勉強不足よ」
想定外の質問に目を白黒させて口ごもるルッツとその様子を見てスッパリとNGを出すクリス。
「では笹原君は仕事の前にまずはこれを読んでしっかりと基礎を身に付ける事」
とクリスが示した先にはどっさりと積まれた関連書籍の山が鎮座していた。
「うう…、わっかりました〜」
とほほと冷や汗を流しながら答えるルッツであった。

そして二日後

「クリス先輩、言われた通り資料を読破しました!」
開口一番に自信満々でルッツはそう宣言した。
えっ、もう?と少し意外そうに目を丸くするクリス。
「はい!まっかせて下さい。バッチリです」
「では再テスト。高級素材とは?」

「はい。細く長い高品質の繊維原料を用いてより細く、均一な太さになるように作られた糸や布地等のアパレル素材の事です」
「そして天然繊維はその数の希少さから、化学繊維の場合は生成や取扱に高度な技術が要求される事から細い繊維は高価なものになってます」
「またそうした細い糸で作られた素材から出来た衣服は風合いが良く、重宝されています」

「うーん。本当はもう少し簡潔にまとめれると良いんだけど、まあ及第点かな」
との評価を聞いて、ルッツが小さくガッツポーズと取っていると

コンコンと軽いノック音と共に
「毎度ー、クリス居る〜?この間頼まれてた見積もりできたでー」
右手にソロバンと茶封筒を持って、大きなまん丸眼鏡とくりっとした大きな目が印象的な小柄な女性が入ってきた。
そして、はいこれとクリスに茶封筒を手渡す。

「流石はマリカ、仕事が早いわね。あ、笹原君、彼女は鈴音マリカ。うちの会計担当のスペシャリストよ」
とザッと封筒の中身を確認しながら満足げに頷きつつ、マリカを紹介するクリス。

「おー、君が先日配属されてきたルーキー君やね。あ、うちの事はマリカでええよ。どう、頑張ってる?」
「バッチリですよ、マリカ先輩。さっきもクリス先輩から及第点を貰った所です」
「ほほう。クリスから及第点を取ったんなら大したもんや、感心感心」

そんなやりとりをしていたマリカに書類を読み終わったクリスが声をかける。
「前回よりも見積金額が上がってるみたいね、経過は順調ってところかしら?」
「そうなんよ。品質は全体的に前回よりも上やね」
とマリカ。
そのやりとりに小首を傾げているルッツに気が付いたクリスが概要を説明し始める。
「我が社では今、高級素材の第一弾として幾つかの契約農家に声をかけてリンネの原材料となる亜麻の栽培を促進しているのよ」
「品質に関わらずに必ず亜麻を買い取るという最低限の保証と共にさらに品質に応じた値段でより高額で買い取るとしているわけやねん」
「亜麻の栽培技術を底上げする為の支援施策的な意味合いが強いけど、品質が悪い亜麻でもリンネの製造研究に使えるから無駄にはならないけどね」
「うちの会社も今まではコットンとかが主力商品やったからねえ。亜麻を用いた紡績や織物の技術研究も必要と言う訳や」
とクリスとマリカの説明を聞き、やっと得心が言ったルッツは
「なるほど、それで見積金額の向上=亜麻の品質向上に繋がる訳ですね」
と相槌を打つ。

「そういうこと。あ、そうだ」
何かを思い付いたらしいクリスは早速、携帯電話で何処かへと連絡を取り、約束を取り付けると携帯を閉じた。

「これで良し。さて笹原君、早速出かけるから準備してね」
「は、はい〜」

と慌ただしく出掛ける2人と行ってらっしゃーいとそれを見送るマリカ。

/*/

農家で実地研修+締めの予定。


- 関連一覧ツリー (▼ をクリックするとツリー全体を一括表示します)

- 返信フォーム (この記事に返信する場合は下記フォームから投稿して下さい)
おなまえ ※必須
文字色
Eメール
タイトル sage
URL
メッセージ   手動改行 強制改行 図表モード
メッセージには上記と同じURLを書き込まないで下さい
画像File  (300kBまで)
暗証キー (英数字で8文字以内)
プレビュー   

- 以下のフォームから自分の投稿記事を修正・削除することができます -
処理 記事No 暗証キー