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ナニワ作戦会議BBS
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  [No.1807] ナニワアームズの話(改稿) 投稿者:真輝  投稿日:2011/06/18(Sat) 21:53:06

蘭堂さん、摂政さま、ありがとうございます!
取り合えずご指摘いただきました、ナニワアームズのお話を手直しいたしました。

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2:ナニワアームズのお話

「・・・流石に暑いニャー、やばいんじゃないかニャー?」
「・・・えーと水も積んでたし、無線機で救助頼んだし大丈夫大丈夫。」
「にゃごにゃー!!」
「トラさんがお怒りですニャ。」

真輝の頭にトラさんのハリセンがヒット!
いい音がしました。

「っつー・・・痛い、トラさんそれ結構痛い!」
「にゃー!!」

トラさんのハリセンは絶好調です。
更なる追撃が真輝を襲います。

「いたっ、いた、ごめんなさい、私が悪うございました!!」
「にゃにゃ!!」

真輝の謝罪に、ようやくトラさんも怒りを納めたようです。
さて、なぜにトラさんがお怒りかといいますと、今のロケーションが問題です。
ここは、ナニワ砂漠の真っ只中。
見渡す限りの砂と岩石の大地。
そして自分達のそばには真輝所有の兵員輸送車。
ただし、エンジンは止まっているようです。
なんとなく分かってきましたね。
それでは回想スタートです。

―――回想ここから―――

「兵員輸送車全然使ってないよなー。」
「うーむ、ドライブにでも行くか・・・といっても地上部でしか使用できないし、大白砂丘でも見てくるか?」
「他にも空いてるやつらいないかねー。」

というわけで、時間の空いてた猫士のミケ、日和とどこからとも無く現れた王猫トラさんを乗せて出発しました。

「にゃんかエンジン音がおかしくないかニャ?」
「にゃがいこと使って無かったようですがバッテリーとか平気ですかニャ?」
「・・・・・・あ。」

―――回想ここまで―――

かくて車はエンスト、砂漠の真ん中で立ち往生とあいなった訳であります。

「ニャー・・・携帯型の無線機あって助かったニャ。」
「まぁ、大白砂丘は観光地ですから救助も早いですよ・・・30分位ですかね?」
「日陰に入って休むとしますかニャ。」

車に積んできたタープを使い日陰を作ってそこに避難します。
砂漠の真ん中ですが眺めはよく、見通す先に純白の砂丘が見えます。
水を分け合いつつ、静かに時間が過ぎていきます。
トラさんは飽きたのかむにゃむにゃとおねむです。
そんな時でした、ミケと日和が何か感じたようです。

「にゃ? 地面が揺れニャかったかニャ?」
「ん?何も感じないけど?」
「なにか聞こえますニャ、あっちの方ですにゃ。」

日和が示した方向に目を向けます。
少し砂埃がたっているようです、とその時でした。
砂の中から、何かが突き出てきました。
しかし、辺りの砂が巻き上げられてシルエットしか見えません。
ミケがあわててトラさんを起こし、日和と真輝は身を隠す準備を始めました。
車から少し離れた砂丘の陰に身を隠し、外したタープを被ります。
そうして物陰から顔を出し、何かが現れた方向を伺います。
砂埃も徐々に納まり、その物体が露になりました。
思わず皆が息を呑みました。

鋭い先端をした円錐形。
金属にも等しい光沢をもった表面。
先端から螺旋状に刻まれた溝。
それはまごう事なきドリルでした。

距離がありますし、周りに比較になる物が無いので詳細なサイズは分かりませんが、相当に大きいであろう事は分かります。
おそらくナニワにもあんなサイズのドリルは無いでしょう。
まさかという思いと、もしかしてという期待が頭を過ぎります。
誰も言葉を発することが出来ませんでした。
そして、とうとうドリルの下からその主が姿を現しました。

圧倒的な巨体。
鋼のような外郭。
力強さを感じる四肢。
かつての藩王がその容姿に心奪われ、国獣として国の名前を与えたとされるその威容。
そう、それはドリルではなくその怪獣の誇る巨大な角だったのです。

「「「ナ(ニャ)ニワアームズ!!」」」

その姿を見るのは砂漠に落とした1にゃんにゃんを探すより難しい。
国獣でありながらその目撃証言の少なさゆえにそう揶揄されることもある、その姿が目の前に現れたのです。
王猫のトラさんですら始めてみるその姿に、何をすることも無くただ見入ってしまいます。

現れたナニワアームズは特に何をするでもなく砂上でじっとしています。
隠れている面々は、もはや何も出来ません。
ナニワアームズに目を奪われ、写真を撮るだとか、記録するだとか、人を呼ぶだとか、そういった事を思いつく余裕も無いのです。
それくらいこの怪獣は人々を引き付けるのです。

どれくらいの間そうしていたのでしょうか。
ナニワアームズが再び動き出しました。
四肢を踏ん張り、ドリル状の角を砂地に突き立て、体を揺らしつつ潜行していきます。
砂煙を上げナニワアームズは其処から去っていきました。

ナニワアームズが去っても彼らは暫く動きませんでした。
それくらい、今回の邂逅が衝撃的だったのです。
砂煙が収まり、周りの砂丘から砂が流れ落ち其処にナニワアームズがいた痕跡がなくなった頃、やっと彼らは動き出しました。

「ニャ・・・。」
「ニャ・・・。」
「にゃ・・・。」

まともな言葉も出てきません。
取り合えず、残ってた水を飲みつつ車に戻ります。
遠くから声が聞こえます。
待っていた救助がようやく来たようです。

「すごかったニャー。」
「カッコよかったですにゃ。」
「にゃにゃにゃにゃー!!」

ココにきてトラさんは大興奮、まともな言葉が出てきません。
とりあえず近くまで来ている救助を待ちつつ、あの怪獣に思いをはせます。

「あ、ニャニワアームズを見ると良い事がある、っていうけど何かあるかニャ?」
「高級猫缶とかどこかから出ないかニャ?」
「にゃんにゃんにゃー!」

取り合えず猫士達も大満足のようです。
そんな中、これで車故障の失態を忘れてくれるならそれが幸運かな、などと思ってる人間も約1名。
帰ったら摂政様辺りの大目玉が待っていそうですが。

「あ、あの辺り暫く封鎖して貰わないと・・・砂地が緩んでるかも。」

ともあれ、今回のドライブで忘れえぬ出来事に遭遇した彼らなのでした。


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