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ナニワ作戦会議BBS
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  [No.360] SS最終版 投稿者:蘭堂 風光  投稿日:2009/03/21(Sat) 21:26:16

ちょっと遅れましたが、昼食中の会話の研修の話を修正しました。
特に問題が無ければこれが最終版という事でお願いします。

/*/−−−−−−−−−−−−−−−−−以下、SSです。

ショッピングモール”ちかにかもーる”にて

モール内をぶらぶら並んで歩く若者3人組。
「なあなあ知ってるか。最近建設されていた冶金工場がセプテントリオンっていう連中に悪用されていたらしいぜ。」
「知っている知っている。何でも地獄見たいな有様で公害とかも垂れ流しだったとか。」
こんな感じかなと思いを巡らせる3人組。

(ここに絵)

「こ、怖え・・。」
「うう、遠慮願いたいぜ。」
「で、でもまあ政府の関係者が現場に遭遇してセプテントリオンを追っ払ったって話だよな。」
「あ、そう言えばそうだったな。確か政府主導で調査や冶金工場の再建を行ったらしいけど。」
「実際の所、冶金工場ってどんな感じになるんだろうな?」
「うーーん。どんなんだろうな。親父たちは大昔にやっていた事もあるらしいけど。」
「お、噂をすればなんとやらだ。あそこにポスターとパンフレットが置いてあるぜ?」
と掲示板付近に貼られているポスターを指差す。
「お、なになに。ふーむ。なるほど。」(※詳しくは鉱脈の発見の下方にあるナニワタイムズ号外を参照)
「これは確かに悪くなさそうだが・・。」
「どう思うこれ?」
「うーん、話半分ってところじゃねえ?」
「暫く様子を見れば嘘か本当か分かるんじゃないか?」
「だよな。あ、俺お袋に買い物を頼まれてたんだ。じゃあこれで。」
「お、もうこんな時間かあ。じゃあまた来週でも」
「おう、またなあー。」
分かれて去っていく若者達。

翌日の朝、冶金工場前。
今日も爽やかな風が頬撫でる。

「・・・で。」

「「「なんでお前達が居るんだよ!!」」」パンフ片手にお互いを突っ込む3人組。

「お前、様子見っていってたじゃねえか。」
「いや、最近お袋が仕事を見つけろって五月蠅くてさあ。」
「お前も話半分って言ってただろ。」
「良く考えたら話半分でもおいしいし、嘘八百ならボイコットしてトンズラすればいいかなあと。」
「そういうお前はどうなんだよ?」
「事務方の仕事ならどこも一緒かなあって思ってさあ。」

 ・・・なんのかんの言いつつ、ナニワ国民も随分逞しくなったものである。

「ま、まああれだ。百聞は一見にしかずってことわざもあるしさ。」
「それだ。そうだよな。まずは自分の目で見ないと。」
「うん、いい事言った。じゃあ、行くとしようぜ。」
気を取り直して冶金工場へと向かう3人組。


昼過ぎ、冶金工場内の社員食堂にて

「よう、3人とも無事で何より。」
「だな。」
「腹減ったし、まずは飯にしようぜ。」
「何々、日替わり定食Aセット、Bセットに・・鍋?」
3人組が首を傾げていると
「いらっしゃい。それはうちの食堂イチオシの鍋セットだよ。
何と鍋の国特製の鍋料理が手軽な値段で味わえるんだ。」
と自信満々の食堂のおばちゃん。
「へー、あの鍋の国の鍋料理か。旨そうだな。おばちゃん、一つ頂戴。」
「あ、俺も俺も。」「俺にも1つよろしく。」
「はいよー。鍋セット3人前ね。まいどありー。」



食卓について鍋セットを前に頂きますと手を合わせる3人。
「おお、結構具だくさんだな。ん、よく味が染みてる。」
「はふはふ。うん、いけるいける。」
「ちょっと熱いけど、スタミナつきそうだな。」
氷が浮かんだお冷を片手に舌鼓を打つ。

「(鍋の具を頬張る)ほふほふ。そう言えばお前は確か鉱山の採掘部門だったよな。どうだった?」
「うん、流石に結構重労働だけど、その辺は建築とか土木工事とかと一緒だな。」
「粉塵対策とかでマスクとかの装備一式も貸与されるんでちょっと暑苦しい以外は結構大丈夫そうだ。」
「(もぐもぐ)ふんじぃん?」
「そう、粉塵。何でもちゃんとマスクとかで対策しとかないと呼吸器障害を起こしたりするらしいんだよ。新人向けの公害研修で説明してたぜ。」
「ああ、そう言えば俺の方の部署でも午後から研修があるって言ってたな。」ずずっと汁を飲むとだしの風味が口にいっぱいに広がる。
「だろ?確か新入社員は部署に関わらず一定期間は鉱毒を始めとした鉱山・冶金特有の健康問題や環境問題を取り上げた研修があるんだってさ。色々ある規則や作業手順とかが何で決められているかもそれで分かるって言ってたな。」
「ふむ。なら俺も後で習うんだろうな。おっと、話の腰を折って悪かったな。それで他には?」
「あ、そうそう。後、俺達みたいにハードワークな部署は複数チームでのローテーション制らしいぞ。」
「明日はそれで俺のチームはお休みなんだって。」
「ふーん。(もぐもぐ)そうなのか。そう言えば俺は工場内勤務だったんだけどよ。
思ったより肉体労働の比率は少なめだったな。」
「あれ?そうなのか?意外だな。」
「大体焼けた鉄とかの運搬や加工はベルトコンベアや機械とかで自動的に運搬されたりしててな、
どちらかというとそういう機械操作が多めの職場だな。」
「後、安全規則とか色々覚えたりで手先の器用さとか飲み込みの早いやつ向きな印象。
あ、フォークリフトとかでの重量物の運搬とかあったからそういうの得意な奴も重宝されていたな。」
「事務の方はどうだった?」
「うん、事務の方は管理する従業員の数が少し多い以外は普通の事務職と一緒だな。この辺はどこも一緒だな。まだ始まったばっかりで結構忙しけど。」
「なるほどなあ。どこもボチボチってところかあ。」ごちそうさまと箸をおく。
「だな。」同じく箸をおく。
「まあもう一頑張りだな。おばちゃん、お替りお願いね。」空の鍋を掲げる
「「お前良く食うな!」」
「へへへー。気にすんな。」

夜、仕事終了後

カッポーンという音がなりそうなぐらい大きめの銭湯。

ゴシゴシゴシと横に並んでタオルで背中を洗う3人組

シャワーで石鹸を洗い流す。

どっこいしょと広い湯船に浸かり、ふーっと3人仲良く一息付く。

ごくごくごく、と更衣室で腰に手をやりコーヒー牛乳やフルーツ牛乳などの入った瓶を口に付け美味そうに喉を鳴らす。
「ぷはー、生き返るー。」
「何かオヤジ臭いぞ。とは言え、体を思いっきり動かした後の銭湯は中々だよな。」
「このところ溜まっていた鬱憤がパーっと晴れた感じだ。体を動かすのも結構悪くないもんだな。」
「で結局、仕事どうする?」
「うーん、俺は継続で様子見だな。」
「俺も俺も。」
「なら今度、初任給入ったらどっか飲みに行こうぜ。」
「お、いいね。」
「じゃあ、まずは給与日目指して頑張ろうぜ!」
「「おー!!」」

/*/

一ヶ月後、初任給の日。
いよいよ待ちにまった給与日だ。目の前には上司が立っている。

「はい、今日も一日勤務お疲れ様でした。これは今月分の給料です。どうぞ。」
と上司から給与袋を手渡される。
紙幣で膨らんだ袋の厚みを感じる。
早速、給与袋の中を覗く若者

お、紙幣がひいふうみい・・結構あるな、しかも全部ピン札だ!

一枚を抜き取ってしげしげと眺める。

これが俺が一ヶ月間汗を流して働いて稼いだお金かあ。
お袋から貰う小遣いとは何か違うな。同じお金なのに別モノみたいだ。

/*/

同日、工場からの帰り道

ほくほく顔で歩く3人組。夜間の冷え込みもなんのそのといった感じである。

「給料、結構貰えたなあ。」
「ああ。これでもうお袋にニートだのプー太郎だの言わせないぜ!」ガッツポーズ
「じゃあ明日は休みだし、約束通り軽く初任給祝いで飲みに行くか。」
「だな。行こう行こう。」「異議なーし。」

こうしてナニワアームズの夜は今日も更けていくのであった。


〜舞台裏〜

時は遡ること、鉱脈の発見の直後。毎度お馴染み?ナニワアームズ政庁の休憩所の一角。
鉱脈の発見に喜ぶナニワ政府一同。
・・・だったのだがその後にセプテントリオンの暗躍が判明、追い払う事には成功するものの、かなり深刻な状況であった事が分かり、冷や水を浴びせかけられた形になった。
惨状を思うと尻尾は垂れ、耳はペタンと伏せてしまうのであった。
平たくいってションボリである。

とは言え、いつまでも落ち込んでいるわけにもいかなかった。
それで事態が改善される事は無いからである。

過去を振り返り、悼む事はできても後に戻る事はできない。
少なくとも猫の足は前に進む為にある。
悲しみを少しでも和らげるには前に進むしかないのである。
1歩後れを取ったのなら、さらに2歩前進するまで。
そして冶金工場での後れは冶金工場で取り戻す。

また感情的な要因の他に現実的な側面からも冶金工場は必要であると判断された。
慢性的な資源不足である共和国に資源を提供する事で外貨を呼び込み、流通を活性化させる事と
資源で得た利益を冶金工場を通して国民に還元する事で労働に対する対価をお給料として明確に示し、
国民に労働のやりがいを実感して貰う事が重要と判断した為である。

こうして復興の第一歩として冶金工場の再建が政府一同総出で試みられる事となった。

「まずはセプテントリオンによる悪影響を払拭すると共に冶金工場の業務形態を全体的に見直します。」と守上摂政
「例えば冶金工場での仕事で従業員が疲れきってしまっては駄目です。そこで福利厚生を充実させましょう。」
「じゃあ鍋の国のお鍋が社員食堂で食べられるとかはどうだ?美味しくて栄養満点らしい。」と乃亜
「おお、いいですね。藩王どうです?」と蘭堂
「ん。鍋の国の藩王のミサさんに許可を今貰ったところ。」ホットラインの受話器を置くサターン藩王。
「おおー、それは良かった。じゃあ早速段取りとかの作業だな。」
といそいそと行動を開始する乃亜を始めとしたナニワ一同。

/*/
ここでプロジェクト×(ぺけ)1話分に当たる
ストーリーが繰り広げられるが本筋から脱線しまくるので割愛。
代わりに鍋の国のミサ藩王と国民達の尽力により、冶金工場の食堂のメニューに鍋セットが加わる事になったとのみ、記したいと思う。
#鍋の国の皆さん、どうもありがとうございます。

/*/

この一件で勢いを得た政府一同は連日会議を行い、色々意見を出し合う。

・近所に銭湯や温泉を誘致して社員割引で利用できるように交渉する。
・給料は是非現金での手渡しで。
・労働基準の見直し。
・溶鉱炉を始めとした大型機械の関係で24時間操業になるだろうからそれを見据えた無理のない勤務体制の検討
・各種手当や祝い金等の充実
・冶金工場の調査や視察
・鉱毒を始めとした環境対策

「と、大体意見は出揃いましたかね?」
「うん、そうね。じゃあ作業分担してやっつけていくとしよう。」
「俺と那由他さん、うさぎさんで冶金工場の調査や視察、環境対策の案を」
「蘭堂さんとイズナは銭湯の誘致をお願いね。」
とテキパキ作業割り振りを始めるサターン藩王。
「福利厚生や各種手当は僕と乃亜さんでやります。」と守上摂政。
「じゃあそれでお願い。後、那由他さんとシュウマイさんで冶金工場について纏めたナニワタイムズの号外の作成もお願いね。」
「では問題なければこれで解散。各自頑張りましょう。」

おおー!と掛声一発、作業対応に走り始めるナニワ政府一同。

こうしてナニワアームズ政庁の夜は更けていく。


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