1873字。奴隷のように働かされるが踏めません。><
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レアアース:希土類元素の事。周期表で第3属に分類されるスカンジウム、イットジウム、およびランタノイド元素の総称。レアメタルの一種。
レアアースと言う17種類の元素がある。
それらは科学的特性がとても似ていて、ある化学者が「それは誤りの海であり、真理はその中に浮かんでいた」と言葉を残したほど判別、分離がとても難しい元素である。
磁石、光磁気ディスク、蛍光体、レーザー発振機、光ファイバー、コンデンサ、人口宝石、セラミック、水素吸蔵合金などに使われる。
ナニワアームズとレアアース
ナニワアームズはオリオンアームズでも有数のレアアースの消費国である。
ナニワアームズとは偵察の国であり、地下の国であるために採光などにこれらを大量に消費する。
一般的に使われているものとして、セリウムの合金がライターの火打石に使われているが、軍事目的で使っていたりする分ナニワアームズの消費量はそうでない国の追随を許さない。
電波吸収の特殊装甲を初めとしてナニワ製偵察I=Dにふんだんに使われている事を取ってみても、これらの研究が盛んな国である事を分かっていただけると思う。
鉄も欲しかったが研究職の人間はレアアースの鉱脈に喜んだ。
レアアースの調査から開発準備を終えるまで10年掛かると言われるほど、判別が難しく、濃縮しにくい鉱脈が「ほそぼそと掘っていたら偶然大きな鉱脈に当っちゃいました」と言う幸運で見つかったのだからその喜び様は想像に難しくない。
それまでは大部分を輸入しており、限られた予算でやりくりする為に失敗した作品を細々と廃品回収して使いいてたため、合金にしたレアアースはいちいち分離しなければならず研究のスピードは芳しいものではなかったのだ。
だが、今回はそれが功を奏した。
ナニワアームズの研究者達は再利用の為に分離作業を日常的に行っており、ある程度ノウハウの蓄積があったのである。
ちなみにナニワアームズではレアアースの分離に「イオン交換法」が主流である。
大雑把に説明するとレアアースの溶液を「陽イオン交換体を円筒状の容器に入れたもの」に流して溶離液を使って元素番号の大きい元素から分離していくやり方である。
少し考えると分かるのだが普通は需要にばらつきがあるため、最終的に全ての元素を分離してしまわなければいけないイオン交換法はコスト面から採用されない。しかしナニワアームズではべての元素がそれなりに需要を持っている為この方法が採用されている。
ニッチ産業をひた走るナニワアームズらしい資源精製工場だと言えるだろう。
(特定の元素を狙って抽出する方法として溶媒抽出法と言うものがある。これは特定の元素の緊急生産などに使われる)
確かに存在はするのだが濃度が薄すぎて技術的、経済的な理由で抽出するのが難しいのがレアメタルである。
レアアースもこの例に洩れず濃度が低くさらに17種類の元素が混じって存在する為に単品として存在させる事が難しいのである。
レアアースの鉱床と言っても精々10〜300倍の濃度に濃縮されている程度のものなのである。
当然のように狙って見つけるには開発準備までに10年掛かるほど難しく、幸運にも鉱脈に突き当たったナニワアームズは開発の為にかける予算を安全対策や、公害対策に当てる事が出来た。
ナニワアームズの公害史
ナニワアームズの黎明史は公害と事故と怪獣達との闘争の歴史だと言える。
先人達が垂れ流した鉱毒で土壌を失い、粉塵で肺を痛め、採掘中の落盤で命を落とし、怪獣に腕を食いちぎられながら作ったのがこの国であった。
無知から来る地獄であったが、先人達は仲間を助ける為に工夫に工夫を重ねてそれを克服している。
惜しむらく事に医療技術は失伝しているものの、サイボーグ技術や、高い設計技術と言った形で今でも我々はその恩恵を受ける事が出来る。
そして我々が争いを反省して慰霊碑を建てたように、我々の先祖も公害に対する対策の記録を残してくれたのだ。
ナニワ人の気質は今も昔も変らないらしい。
公害対策・安全対策
安全対策(未完成)
公害対策の基本方針は【有害なものも回収してしまえば商品】である。
廃水や排気ガスからも何重にもつけた処理装置を使って回収できるだけ回収し再利用する。
NOxを硝酸、SOxを硫酸として再利用する事をはじめとしてあらゆるものが回収された。
そしてどうしても使い道がない物は廃坑を埋める為のコンクリートの材料としてやっぱり再利用された。
もちろんコストは掛かったが毒ガスの恐怖を覚えている国民達は、安全と引き換えなら安いものだと考えた。
先祖達が残した失敗の記録は決して繰り返してはいけないのだ。